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脊髄小脳変性症(SCD)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月17日

せきずいしょうのうへんせいしょう(えすしーでぃー)脊髄小脳変性症(SCD)

こちらの記事の監修医師
神奈川県立こども医療センター
広川 大輔

概要

脊髄小脳変性症は、小脳を中心とした神経の変性によって生じる疾患です。神経に変性が起こる原因ははっきりと分かっておらず、症例によっては、小脳以外にも、大脳、脳幹、脊髄、末梢神経にまで神経の変性がおよぶ場合があります。脊髄小脳変性症の約3割が遺伝性であると考えられており、残りの7割は孤発性(非遺伝性)とよばれています。脊髄小脳変性症を発症すると、歩くときにふらつく、手がうまく使えない、ろれつが回らないなど、さまざまな動きが円滑にできなくなってしまうなど、様々な運動機能障害を発症し、これらの症状を総称して運動失調といいます。脊髄小脳変性症の症例は全国で3万人を超えると推定されており、指定難病に登録されている疾患です。

原因

脊髄小脳変性症は、遺伝性のものと非遺伝性のものに分けられます。遺伝性の脊髄小脳変性症の場合、原因となる遺伝子やそれら遺伝子の異常が徐々に明らかとなっており、40種類以上の遺伝子が原因遺伝子として確認されています。一方、非遺伝性の脊髄小脳変性症に関しては、発症原因や神経変性が起こる原因が分かっていません。何らかの原因により小脳や脳幹に異常なたんぱくが蓄積して、小脳や脳幹の萎縮が発生すると考えられています。

症状

脊髄小脳変性症の主な症状は、小脳の神経が変性することによって生じる、小脳性運動失調です。小脳性運動失調は小脳失調ともよばれる症状であり、症状が発現することで、複数の筋肉を同時に扱う動作や運動ができなくなる可能性があります。箸を使う、字を書く、細かい作業を行うなどの動作ができなくなったり、ふらついて歩きにくい、呂律が回らず言葉が滑らかに出ない、足の突っ張りを感じる、手の震えが無意識に発生する、眼球の揺れが起こるなどの症状が出現し、筋力の低下が確認されます。また、排尿障害や便秘などの自律神経障害を合併することも多く、失禁などの症状もみられることがあります。重症化すると、より全身の筋肉や運動機能が傷害され、嚥下機能(ものを飲み込む力)の低下がみられる可能性もあります。

検査・診断

脊髄小脳変性症の診断には、症状の問診とともに、家族歴の確認が重要です。小脳萎縮、脳幹萎縮、大脳基底核の萎縮などを検査するために、頭部CT検査やMRI検査などの画像検査を行います。症状や画像検査によって遺伝性と非遺伝性を区別できる場合も多く、遺伝子検査は必ずしも必要とはなりません。しかし、皮質性小脳萎縮症とよばれるタイプなど、一部の症例では遺伝性と非遺伝性の区別が困難であるため、必要に応じて遺伝子検査が併用されます。

治療

脊髄小脳変性症の根本的な原因である神経の変性そのものを治療することは難しいです。そのため、脊髄小脳変性症の治療では、出現している症状に対して患者さんごとに対応していくことが大切です。一般的には、歩くときにふらつく、手がうまく使えない、ろれつが回らないなどの小脳の運動失調に対しては、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤(プロチレリン酒石酸塩)が使用される他、TRH誘導体であるタルチレリン水和物が有効であることが知られています。めまい、ふらつき、排尿障害などの症状に対しては、それぞれの症状を緩和するための対症療法が実施されます。動作の遅さ、手の震えなど、パーキンソン病様の症状が出現している場合には、パーキンソン病に準じた治療が行われることもあります。

予防/治療後の注意

脊髄小脳変性症の発症を予防する方法はありません。遺伝性であるため、脊髄小脳変性症の家族歴がある人はリスクが高いといえますが、具体的な予防策が存在しないのが現状です。しかし、発症後や症状を発現している場合には、歩行時の注意や日常生活の工夫、生活環境などの改善によって、転倒など2次的な症状(外傷)の出現を未然に防止することは可能です。病状の進行を抑えるためにも、継続的な薬物治療やリハビリテーションなども重要となります。

こちらの記事の監修医師

神奈川県立こども医療センター

広川 大輔

【経歴】
2010年 三重大学医学部卒
2010年 横浜市立大学付属市民総合医療センター 初期研修医
2012年 横浜市立大学付属病院 脳神経外科 後期研修医 
2014年 東京都立多摩総合医療センター 脳神経外科
2015年 神奈川県立がんセンター 脳神経外科
2016年 国立成育医療研究センター 脳神経外科 フェロー
2018年 現職

治療に適した診療科目

内科 神経内科 脳神経内科

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