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本態性振戦【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月15日

ほんたいせいしんせん本態性振戦

こちらの記事の監修医師
医療法人社団 創知会 メモリークリニックお茶の水
荒木 亙

概要

本態性とは「原因がはっきりしない」という意味で、振戦とは「自分の意思に反して起こる、規則正しいリズミカルなふるえ」のことです。本態性振戦とは「はっきりした原因がなく、ふるえる病気」を意味します。本態性振戦では、ふるえ以外の症状がないのが特徴です。中高年に多く、40歳以上の4%、65歳以上の5~14%にみられます。本態性振戦には、はっきりとした原因がなく、本人がふるえを気にしないならば、治療しなくてよい病気です。治療する場合は、β遮断薬を服用する方法が一般的です。症状は年月が経ってもほとんど進行しません。

原因

本態性振戦の原因はは、はっきりわかっていません。家族や親族にも同じような人がいれば「家族性振戦」ということもあります。筋肉を働かせるとき、誰でも筋肉の細胞はふるえますが、普段は筋肉全体のふるえは目立たないものです。ところが、交感神経の興奮が過剰になると、筋肉全体のふるえが起こります。本態性振戦を起こす人は、精神的な緊張により、交感神経の興奮が高まりやすい体質を持つと考えられます。

症状

本態性振戦の症状は、手指、頭や声のふるえです。ふるえは、何かをしようとする時に強く起こります。特定の姿勢で現れることが多く、日常生活に支障をきたしたり、精神的な苦痛を伴うことがあります。症状の具体例をあげると、字がうまく書けない・コップで水を飲むときにこぼす・飲み物をコップに注いでもらうとき手がふるえる・箸やスプーンを使いにくい・人前で声がふるえる・人前でサインするとき手がふるえて書きづらい・頭がふるえて人前に出づらいなどです。

検査・診断

本態性振戦は、診察で症状を確認するだけでほぼ診断できます。ただし、振戦を起こす他の病気を鑑別するために検査を行うことがあります。例えば、甲状腺機能亢進症の鑑別のために甲状腺ホルモン測定・てんかんの鑑別のために脳波検査・パーキンソン病及びパーキンソン症候群の鑑別のために頭部MRI、核医学検査をするなどです。

治療

本態性振戦は、本人がふるえを気にしないならば治療しなくてもよい病気です。逆に本人が気にして、ADLも低下するなら、治療適応となります。治療の第一選択は、β遮断薬を服用することです。β遮断薬は交感神経の興奮を抑える働きがあり、振戦を抑制します。全てのβ遮断薬が本態性振戦に効果があるわけではなく、効果のあるもの(アロチノロール)は保険適応となっています。ふるえがいつも気になる場合は、β遮断薬を定期的に服用します。β遮断薬は服用してから1~2時間で効果が現れて12時間くらい持続するので、必要な時だけ服用する方法もあります。ただし、喘息の患者はこの薬を使えません。なぜなら、発作を誘発するからです。また、脈が遅くなる「徐脈」が見られることがあり、心臓病のある人も使えなかったり、注意が必要な場合があります。β遮断薬を使えない場合は、抗不安薬や抗てんかん薬を使います。内服薬で満足いく効果が得られない時には、脳外科的治療―たとえば、MRIを見ながら、ふるえの原因となる部位に超音波を集中させる集束超音波治療などを検討することがあります。

予防/治療後の注意

本態性振戦の症状はほとんど進行しません。また、進行して麻痺が起こることはありません。治療後の注意点は、以下の通りです。まず、ふるえのことを気にしすぎないこと、交感神経の緊張を和らげるため十分な睡眠と休養をとることです。人前で、ふるえに気づかれないように隠していると余計に緊張しますから、相手に病気のことを伝えておくのも一法です。また、飲酒により症状が軽くなることありますが、アルコールで振戦を抑えてはいけません。それをすると、アルコール依存症になるリスクが生じます。

こちらの記事の監修医師

医療法人社団 創知会 メモリークリニックお茶の水

荒木 亙

【経歴】
1985年 京都大学医学部卒業
1992年 同大学院修了
1995年 米国留学
1998年より、国立精神・神経医療研究センター神経研究所 室長として、主に認知症研究に従事。2018年より、医療法人社団創知会に勤務し、物忘れ外来を担当している。 専門分野:神経内科学・認知症、資格:日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医

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