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脳動静脈奇形【イシャチョク】

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最終更新日:2022年3月29日

のうどうじょうみゃくきけい脳動静脈奇形

こちらの記事の監修医師
もり脳神経外科クリニック
森 達郎

概要

脳動静脈奇形は脳血管障害の疾患であり、先天的に動脈と静脈が毛細血管を介さずに短絡した構造(ナイダス)を形成することで、増加した血流によって静脈が拡張してしまう疾患です。人口10万人に約1人という希少疾病です。脳動静脈奇形の発症には遺伝的な影響があることも示唆されています。先天的な血管構造異常によって、脳の動脈と静脈の流れに障害が起こり、動脈の血流が直接的に静脈に流れ込んでしまいます。流れ込んだ動脈血によって、静脈では血液が“コブ”のように溜まってしまう現象が起こります。このコブが静脈瘤とよばれます。圧力の高い動脈の血液が静脈に流れ込むことで、血管はもろくなり、場合によっては破裂してしまうこともあります。そのため、脳動静脈奇形は脳出血やくも膜下出血の大きなリスク因子となります。その他にも、脳動静脈奇形がてんかん発作の要因となることも知られています。

原因

心臓から送られた血液は動脈を通り、その後毛細血管で酸素や栄養を受け渡し、不要な物質や二酸化炭素を受け取ってから静脈に流れ込みます。脳動静脈奇形では、先天的に毛細血管が存在せず、動脈と静脈が直接結合したようなルートを形成してしまいます。動脈と静脈の間には、血液が溜まってしまった塊のようなものが形成され、これをナイダスとよびます。動脈と静脈では血流の圧力に大きな差があり、圧力の高い(血流の力が強い)動脈血が直接静脈血に流れ込むことで、静脈やナイダスの血管壁は強い圧力に耐えられず破裂してしまう場合もあります。血管の形成に異常が生じる根本的な原因は分かっておらず、遺伝的な影響が示唆されていますが、はっきりとしたことは解明されていません。

症状

脳動静脈奇形そのものが特別な症状を生じるわけではなく、脳動静脈奇形に伴う血流障害や出血によって症状が発現します。体の成長とともにナイダスも大きく成長し、学童期に入るとけいれんやてんかん発作、脳出血やくも膜下出血などが生じる場合があります。脳血流量の低下によって、慢性的な頭痛やめまい、吐き気や立ちくらみなどの症状が出現します。また、脳血流量の低下は認知機能の低下を引き起こす原因になるだけではなく、麻痺などの症状が現れることもあります。

検査・診断

脳動静脈奇形では、てんかんや頭痛などの症状が出現して初めて検査が行われるケースが多く、発見が遅れることも少なくありません。脳動静脈奇形の検査としては、MRI検査、頭部CT検査、脳血管撮影などの画像検査が行われます。必要に応じて認知機能検査や脳波検査なども実施されます。てんかん発作などの症状だけでは脳動静脈奇形が疑われない場合も多く、脳出血などの重篤な症状が起こって初めて、脳動静脈奇形と判明することもあります。

治療

脳動静脈奇形の治療法としては、開頭手術、放射線治療、血管内治療(塞栓術)が一般的です。開頭手術では、ナイダスそのものを外科手術によって摘出する治療が行われますが、治療レベルは非常に高く、困難な手術になることも少なくありません。血管内治療は、塞栓術ともよばれており、血管にカテーテルを入れてナイダスを閉鎖してしまうことで血流を改善する治療です。放射線治療ではガンマナイフとよばれる技術を駆使して、脳血管内のナイダスを取り除く治療です。患者さんの年齢や症状の有無、脳血管やナイダスの状態によって治療方法が選択されます。てんかん発作のみの症状が出現しており、脳出血などのリスクが低いときには、抗てんかん薬などを投薬し、経過をみていく場合もあります。その他、頭痛や吐き気などの症状に対して対症療法を行います。

予防/治療後の注意

脳動静脈奇形は、この疾患を専門に取り扱う医療機関や専門医による治療が必要となります。患者さんの全身状態や年齢、脳血管やナイダスの状態などを総合的に判断して治療方針が決定されます。重篤な脳出血やくも膜下出血の発症を予防するためには、治療の有無に関わらず、継続的なフォローアップが重要となります。

こちらの記事の監修医師

もり脳神経外科クリニック

森 達郎

〇アクセス:品川区中延5丁目2番2号 ザ・パークハウス品川荏原町2階
〇診療科 :脳神経外科・内科・皮膚科・放射線科・小児科
〇経歴:
平成5年 日本大学医学部卒
平成11年 日本大学大学院卒
平成11年 米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 神経科
平成14年 横須賀市民病院 脳神経外科医長
平成16年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科医長
平成20年 日本大学講師
平成21年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科科長
平成22年 日本大学駿河台病院 脳神経外科科長
平成23年 社会保険横浜中央病院 脳神経外科部長
平成26年 地域医療推進機構 横浜中央病院 脳神経外科主任部長
平成28年4月 もり脳神経外科クリニック開設
【資格・免許】
日本脳神経外科学会評議員 脳神経外科専門医
日本脳卒中学会会員 脳卒中専門医
日本神経外傷学会学術評議員
日本臨床スポーツ医学会評議員
日本脊髄外科学会会員 脊髄外科認定医
日本脳ドック学会会員
難病指定医 身体障害者福祉法第15条指定医
脳神経外科漢方医学会会員
日本認知症学会会員
介護支援専門員(ケアマネージャー)
日本老年医学会高齢者医療研修会終了

治療に適した診療科目

脳神経外科

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