最終更新日:2021年8月24日
生理痛の症状について解説!生理痛が起きる原因とよくある症状は?生理痛が辛い時のセルフケアもご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

生理は女性特有のもので、初潮から閉経までの期間、月に1回の周期で妊娠しなかった女性の子宮内膜が出血とともに体外へ排出される現象です。
生理に伴う生理痛に苦しんでいる女性は少なくありません。生理中は痛みそのものを不快に感じることもあれば、情緒の変化に悩むこともあります。
生理痛は人によって症状が様々で痛みの度合いも異なるため、自分に合った対処法を知ることが大切です。
本記事では生理痛の原因や症状、そして生理痛を和らげる方法を紹介します。
生理痛が起きる原因

まず、生理痛が起こる原因について紹介します。以下の項目を参考に、生理痛が起こる原因を正しく理解しましょう。
プロスタグランジンの分泌
生理痛の原因としてプロスタグランジンという物質が体内で分泌されることが挙げられます。
生理は妊娠が成立しなかった際に、必要のなくなった子宮内膜を体外へ排出させる現象です。
プロスタグランジンは生理の際に子宮を収縮させ、内膜が体外に排出されやすいようにサポートする働きがあります。
実はこのプロスタグランジンには子宮を収縮させる他に、痛みや炎症を引き起こしたり増強したりする作用があるのです。
子宮や腸などの器官を必要以上に収縮させて、痛みを増加させることもあります。
プロスタグランジンが痛みや炎症を起こすのは、月経時だけではありません。
例えば、風邪を引いたときの頭痛や喉の痛み等もプロスタグランジンが深くかかわっています。
つまり、プロスタグランジンの分泌量が体内で増えると、体内で様々な痛みや炎症が発生しやすくなるのです。
生理中はプロスタグランジンが多く分泌されるため、上記のような症状が生理痛として身体に現れます。
エストロゲンの分泌

生理痛には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌もかかわっています。
エストロゲンの分泌量は、生理周期によって体内で増減をくりかえすのが特徴です。
排卵日前の低温期に分泌量が増加し、排卵後に減少、そして排卵後の高温期に再び増加して、生理直前や生理中にかけて減少します。
エストロゲンの分泌量が減少することが、生理痛の1つの原因です。
エストロゲンの分泌量が下がると脳内のセロトニンという物質の分泌量も減少することが分かっています。
セロトニンは血管を収縮させたり痛みを抑えたり、精神を安定させたり食欲を抑制したりする物質です。
セロトニンの作用が弱まることで血管が拡張し、周りの細胞が圧迫されて頭痛が起こったり、痛みを抑えられないことで腹痛や腰痛が起こったりします。
イライラして精神的に不安定になったり、食欲が増加したりすることも同時に考えられるでしょう。
つまり生理痛の症状は、エストロゲンとセロトニンの分泌が減少することで起こっているのです。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れが原因で、生理痛が強まることもあります。
ホルモンバランスが崩れると身体の冷えを引き起こし、月経時の痛みを感じやすくなるからです。
ホルモンのバランスの乱れは、自律神経の乱れとも強い関係性があります。
自律神経が乱れることで血管が収縮し、血液の流れが悪化するためです。
血液の流れが悪化すると、体内の体温調節機能にも影響を与えるため身体の冷えを促します。
身体が冷えやすい人は普段からホルモンバランスを意識し、身体を冷やさない努力をしましょう。
生理痛の主な症状

一般的な生理痛の症状について紹介します。以下の症状がある人は、生理痛の対処法も検討しましょう。
腹痛・腰痛・下痢
生理中は腹痛・腰痛・下痢などが起こる可能性があります。特に腹痛は非常に多くの女性に見られる症状です。
これらの症状はプロスタグランジンの働きによる痛みや炎症の増強作用、腸などの過剰収縮作用が原因の1つになっています。
頭痛

頭痛も生理に伴い起こる症状の1つです。
生理中や生理直前に起こる頭痛は、プロスタグランジンやエストロゲン、そしてセロトニンの分泌と深く関わっていることが考えられます。
特に生理の直前・直後、生理の終わりごろに発生する片頭痛は、セロトニンの分泌が関与して引き起こしている可能性が高いです。
また人によっては頭痛だけでなく肩こりが併発することもあります。
イライラ・憂鬱感
精神的な不快感や憂鬱感も、生理によって引き起こされる代表的な症状です。
イライラや憂鬱感は、エストロゲンの分泌減少によるセロトニンの減少と深くかかわっています。
精神的に不安定になり、気分が落ち込んだり些細なことでイライラしやすくなったりするのが特徴です。
平均的な月経周期

一般的に正常な月経周期は25~38日といわれています。
生理周期が24日以下の月経は頻発月経、39日以上の月経は稀発月経です。しかし生理が25~38日の周期でも、正常な月経でない場合もあります。
月経周期が正常でも、排卵後の高温期が10日以下と短く低温期が長い人は黄体機能不全の可能性が高いです。
月経が正常に起こっているのかを確かめるには、婦人科で検査をしたり、基礎体温の測定をしたりすることも忘れないようにしましょう。
生理痛が辛い時のセルフケア

生理痛が辛い時は、正しいセルフケアをすることが大切です。以下の項目を参考に生理痛の緩和を目指しましょう。
身体を温める
身体を温めることは生理痛の緩和に効果的な対処法の1つです。
先ほど、身体の冷えが生理痛の痛みの原因になることを説明しました。つまり、体を温めると生理痛を和らげることができるのです。
生理痛が辛い時には、なるべく身体を温める工夫をしましょう。特に子宮やお腹周りを温めることが効果的です。
湯たんぽを使用したり、ドラッグストアでお腹を温めるパッドなどを購入したりして対策できます。
子宮には太い血管がないため血行不良を起こしやすいです。子宮や卵巣周りを温めることで血行を良くし、痛みを少しでも和らげましょう。
軽いストレッチやリラックス
ストレッチをして筋肉を動かすと血行が良くなり、冷えを改善したり生理痛を和らげたりすることができます。
あまり激しい運動はお勧めしませんが、軽いストレッチやヨガなどで無理なく身体を動かしてみましょう。
また、リラックスすることでも血流改善ができます。
リラックスすると副交感神経が刺激され、血管が緩んで血行が良くなるというメカニズムによるものです。
まずは腹式呼吸や深呼吸をして、リラックスした身体の状態を作りましょう。
鎮痛薬の服用

医師からの処方薬や市販薬で痛みを和らげるのも1つの方法です。
一般的な生理痛の薬は非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる薬で、プロスタグランジンの体内での合成を抑制する薬です。
プロスタグランジンの分泌が減少することによって生理痛を緩和させます。
しかし痛みの原因によっては、非ステロイド性抗炎症薬では効果が不十分であることもゼロではありません。
処方薬や市販薬で症状が改善されない場合は、速やかに医師に相談しましょう。
生理前のPMS・PMDDにも要注意

生理前のPMS・PMDDについても紹介します。以下の項目を参考に、月経前の症状にも注意を払いましょう。
PMS(月経前症候群)
PMSとは月経前症候群とも呼ばれ、生理が始まる3~10日ほど前に起こる身体の不調や不快な症状です。
原因ははっきり特定されてはいませんが、生理前のホルモンバランスの急激な変化が原因だと考えられています。
生理中の痛みよりもPMSの症状の方が辛いという人も多いです。
PMSの症状には以下が挙げられます。
眠気
不眠
不安
イライラ
胸の張り
腹痛、頭痛などの痛み
生理中だけでなく生理前に起こるPMSにも注意して、血行改善など症状を和らげる対策をとるようにしましょう。
PMDD(月経前不快気分障害)
PMSの症状の中でも精神的に不快な症状が強いものをPMDDまたは月経前不快気分障害といいます。
PMDDもPMSと同様に原因ははっきり特定されていません。一般的にはホルモンバランスの変化やセロトニン不足が関わっているのではないかと考えられています。
PMDDの代表的な症状は以下の症状です。
日常生活に支障をきたすほどの憂鬱感
強い不快感
少しの刺激で感じる怒り
生理の数日前~1・2週間の間で起こり、生理が始まると数日で症状が消えてなくなるのが特徴です。
上記の症状から分かるようにPMDDの症状は、うつ病や不安障害などと似ています。
またPMDDを経てうつ病・不安障害・パニック発作へと移行することがあるため注意が必要です。
日常生活が滞るほどの辛い症状が続く場合は、医師の診察を受けるようにしてください。
日常生活に支障が出る痛みは病気が潜む場合も

生理痛の痛みが日常生活に支障をきたすほど強い人は、他の病気も疑うことが大切です。
あまりにも生理痛が強い場合は、月経困難症という病気が疑われます。
月経困難症は機能性月経困難症と器質性月経困難症の2つに分類できるのが特徴です。
機能性月経困難症は、子宮頚管が細かったりプロスタグランジンの分泌量が体質的に多かったりすることなどが原因で起こります。
出産をすると症状が軽減することが多いのが特徴です。
器質性月経困難症は、子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患が原因で起こります。
出産後に生理痛の悪化・経血量の増加・レバー状の塊が出るなどの症状がある人は、器質性月経困難症である可能性が高いです。
他の病気が潜んでいる場合は治療法も異なりますので、速やかに医師の診断を受けましょう。
異常を感じたら産婦人科に相談しよう

強い生理痛や生理中・生理前後での身体の不調を感じたら、婦人科に相談しましょう。
強い生理痛が実は何らかの疾患が原因で起こっていたり、PMDDなどが原因で精神疾患につながったりする恐れもあるからです。
自分で解決しようとするのではなく、専門家の適切なアドバイスが症状の早期改善につながります。
まとめ

生理痛を緩和するためのセルフケアを試しても強い痛みが改善されない人は、医師に相談してみましょう。
生理は病気ではありませんが、強い痛みの背景に別の病気が隠されている可能性はゼロではありません。
病気の早期発見のためにも、身体に異常を感じたら専門医を受診することをお勧めします。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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