最終更新日:2021年2月15日
磁石製玩具の誤飲による子どもの負傷が増加
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
マグネットボールやアクセサリーキットなど強力な磁石を使用した玩具により、多くの小児が重傷を負う事故が発生していることが、米マサチューセッツ総合病院小児科のMichael Flaherty氏らにより報告された。全米データの解析から、2016~2019年に事故の症例が80%増加していたことが11月24日付「The Journal of the American Medical Association(JAMA)」に掲載された。
NBCニュースによると、全米各地で事故の発生が報告されており、インディアナ州では4歳男児がマグネットボール27個を誤飲、緊急手術を受けたほか、イリノイ州でも2歳女児がマグネットボールを5個誤飲、虫垂の切除手術を受けた。2018年にはウィスコンシン州で、4歳男児がマグネットボール13個を誤飲、腸や虫垂の切除手術を受けた。最近ではニュージャージー州で6歳男児がおもちゃに附属していた磁石を誤飲し、受診時は結腸に8カ所の穴が開いた状態で、穿孔が隣接していたので、腸の一部を切除手術したという。
このような事故で幼児が誤飲した磁石はネオジムと呼ばれるレアアースの一種からつくられている。円形、長方形、円筒形、キューブ状など形状はさまざまで大きさは3~6mm程度が多い。また、従来のフェライト磁石と比べ、ネオジム磁石は5~10倍の磁力がある。
ネオジム磁石は電車やエレベーターなどの大型製品からハードディスクや携帯電話などの小型製品、幼児が遊ぶおもちゃなど幅広く使用されている。小児がネオジム磁石を2つ飲み込むか、磁石1つと別の金属を一緒に飲み込むと、「強い磁力により腸の壁がくっつきねじれた状態になる危険性があり、重篤な腸の損傷や死亡に至ることがある」と述べている。
2012年、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、ネオジム磁石製品の自主回収および安全基準規定により販売制限措置を講じ、2014年には販売禁止としたが、2016年に連邦裁判所がこの措置を越権行為と判断し、販売解禁となった。
著者らは、全米電子傷害情報サーベイランスシステムのデータから、2009年1月~2019年12月の期間、異物の誤飲が原因で救急外来を受診した17歳以下の小児3万6,701人を抽出し解析した結果、磁石製品の誤飲が原因の小児は1,421人で、このうち847人は5歳以下の小児であると明らかにした。
ネオジム磁石製品の販売規制中の2013年から2016年の期間は磁石の誤飲で救急外来を受診した小児患者数が10万人当たり3.58人から2.83人にまで有意に減少していたが、販売解禁後の2016年から2019年にかけては10万人当たり5.16人と80%以上増加した。
結果より、著者らは14歳未満の子どもがいる家庭ではネオジム磁石を使用した製品を家庭に置かないよう、述べた。また、一時期ネオジム磁石製品が規制されていた期間は救急外来の受診件数が有意に減少していたため、連邦政府による対策や誤飲防止対策の再検討が必要であるとの見解を示した。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任
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