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小児の睡眠、最大の課題は「乳児期」【時流◆睡眠最前線】【イシャチョク】

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最終更新日:2021年2月15日

小児の睡眠、最大の課題は「乳児期」【時流◆睡眠最前線】

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

小児の睡眠、最大の課題は「乳児期」【時流◆睡眠最前線】

(画像=Adobe Stock)

睡眠衛生の問題は乳児期から

睡眠衛生の問題は乳児期から発生しており、赤ちゃんを「朝起こさず、夜寝かせていない」ことが問題です。その要因は親の仕事や家事などの生活時間により赤ちゃんも夜更かしになること、もう一つは赤ちゃんが成長しても夜間の頻回授乳を続けてしまうことです。新生児期は夜間に5、6回授乳しますが、生後10カ月でも夜間に赤ちゃんが泣いたら授乳をする方がいます。これではお母さんが寝不足になりますし、赤ちゃんも昼夜逆転して朝起きられなくなります。

赤ちゃんの睡眠リズムの作られ方

新生児期はまだ睡眠・覚醒のリズムができていませんが、生後3、4カ月頃から次第に睡眠・覚醒リズムができ、生後10カ月までには夜間の中途覚醒の減少にしたがって昼寝の回数も減少します。1歳~1歳半までには中途覚醒がほとんどなく、夜間の授乳も不要です。

図. 乳幼児期の睡眠・覚醒リズムの発達と運動発達

(提供:星野氏)

睡眠・覚醒リズムには大切な2つの要素があります。一つはサーカディアンリズム(24時間周期の概日リズム)と呼ばれるシステムで、精神・神経活動やホルモン分泌をはじめとする、全ての生物現象の制御に関わります。体温調節や排便などの自律神経系の発達にも関連し、陽の光を浴びてセロトニンの分泌を増やし、夜間にメラトニンを合成させる睡眠・覚醒リズムの制御にも関係します。

もう一つはノンレム睡眠/レム睡眠のリズムです。正常な睡眠はノンレム睡眠/レム睡眠が切り替わり、二相性となります。生後3、4カ月から1歳までの間に正常なサーカディアンリズムと睡眠サイクルをつくることが重要です。

赤ちゃんの眠りが浅いレム睡眠のときに目を覚ましたと思って授乳すると正常なレム睡眠がとれなくなります。また、陽の光を浴びないと眠りが深いノンレム睡眠がとりにくくなります。

睡眠サイクルが乱れて正常なサーカディアンリズムがつくられないと、ホルモン分泌、体温調節、排便・食事など、成長発達や情緒にも影響することが研究で報告されています。

生後3、4カ月で「昼夜の区別」がつくようにサポート

正常なサーカディアンリズムがつくられないと将来の睡眠・覚醒リズムの形成に影響する可能性があり、睡眠覚醒リズムがつくられず、夜型のリズムになる可能性があります。また、この時期に正常なサーカディアンリズムがつくられないことから、神経発達症の初期症状を発見できることもあります。神経発達症は睡眠・覚醒リズムではなく遺伝などの素因があり発症し、睡眠の異常が症状のひとつとしてみられることがあります。

生後3、4カ月以降に「昼夜の区別を付ける」ことが重要で、サーカディアンリズムや睡眠サイクルの確立に影響することを覚えておきましょう。昼夜の区別を付けるためには、赤ちゃんが夜中に起きても、「朝になれば起こして陽の光を浴びさせる」、「昼にお散歩に出かけよく遊ばせる」など、夜の眠りの質を良くする工夫が必要です。

月齢が進むにつれ、夜間に1、2回泣いても授乳しないようにします。最初は泣き止まず大変ですが、次第に夜中に起きなくなるので正常な睡眠サイクルをつくることができます。

1970年から顧みられなかった乳児の睡眠啓発

故・瀬川昌也先生は1970年頃から赤ちゃんの睡眠について報告していましたが、当時はあまり注目されませんでした。2001年からわれわれは子どもの睡眠衛生に関する啓発活動として「子どもの早起きをすすめる会」を展開し、文部科学省の後援も得られたのですが、これまで乳児期の睡眠衛生に関する情報提供が十分できていなかったので、現在研究を進めています。

乳児期における睡眠衛生や睡眠の質についての啓発活動はこれからだと考えています。

特に母乳育児に関して、生後3、4カ月以降の乳幼児心身の発達に関する医学的な情報提供が行われていないのが問題です。1歳近い赤ちゃんでも夜中に目を覚ましたら、すぐ授乳をするような指導は見直す必要があります。母乳育児の真の目的は子ども自身の発達や成長をサポートすることですから。小児保健の現場で乳幼児期の睡眠衛生に関する情報提供を行い、正しい知識を広めていきたいと考えます。

鈴木 幹啓
この記事の監修者
鈴木 幹啓(すずき・みきひろ)
【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

すずきこどもクリニック(小児科)
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すずきこどもクリニック

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

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