最終更新日:2021年8月24日
アルコールと血便の関係性を解説!血便はアルコールが原因じゃない?関連する疾患や診察の流れもご紹介
こちらの記事の監修医師
医療法人菁莱軒田中医院
鈴木歩

大量のアルコール摂取はさまざまな病気の原因になり得ますが、実は血便とも関係があります。
血便が出たときにいつもの痔だから大丈夫だろう、と放置するのではなく、早めに診察に行って検査を受けるなどの対処が必要です。
今回はアルコールと血便の関係性や血便の種類、診察の流れまで幅広く解説します。
お酒を飲むと血便が出やすい方は、ご自身の症状と照らし合わせてみましょう。
アルコールと血便の関係性

アルコールの摂取と血便は大いに関係があります。真っ赤な血便が出た場合、その多くは大腸や肛門からの出血が原因です。
アルコールを摂りすぎることで痔の悪化や下痢のような症状が現れることがあります。
痔が悪化したり、下痢が増えて肛門が傷ついたりすることで、出血や痛みが起こるのです。
このことから大量・高濃度のアルコール摂取は体に負担をかけて、血便を含む不調の原因になるといえるでしょう。
下血と血便の違い
血便と似た症状で、下血というものがあります。この症状についても知っておくことで、自分の健康状態の観察に役立ちます。
下血も血便も同じく肛門から血が出ることを指しますが、色が異なります。
血便には鮮血が混ざっているので赤い便である一方、下血には古い血が混ざっているため、黒い便が出ます。
下血が黒い理由は、出血してから時間が経っているためです。
胃や十二指腸から出血している場合は血が体の外へ出るまでに時間がかかるため、便の色が黒くなります。
下血が出た場合は、胃・十二指腸潰瘍や胃がんが隠れていることもあるので、すぐに検査を受けましょう。
アルコールで痔がうっ血
アルコールで血便が出るのはなぜなのでしょうか。考えられる理由は2つあります。
1つ目はアルコールの影響で、痔に血が溜まってしまうことで血便が出るケースです。
アルコールを摂りすぎると体内の血流量が増えるため、痔に入る血液の量も増えます。
血が溜まってうっ血した状態の痔は大きくなり、出血や痛みが出やすい状態に変化するのです。
そうしてうっ血した痔から出血することで、血便が確認されます。
下痢を起こして痔を悪くする

2つ目の理由は、下痢によって痔の症状が悪化してしまうケースです。
アルコールを摂取すると、水分やミネラルが体に吸収されにくくなります。
この影響によって、アルコール大量摂取後には下痢を起こしやすい傾向です。
吸収されない水分は体外に排出されるために腸に運ばれ、下痢になってしまうのです。
アルコールは水分やミネラルだけではなく、糖分や脂肪分の分解や吸収の働きも悪くするため、さらに下痢を起こすやすくします。
下痢が増えることで痔が傷ついたり、肛門がさけて切れ痔になったりすることで、出血や痛みが出てしまいます。
アルコールと下血の関係性

アルコールを大量に摂取することで胃や十二指腸に負担がかかった結果、下血の症状が出ることがあります。
アルコールは胃酸の分泌を活発にしますが、活発になりすぎるため「胃酸過多」の状態です。
この胃酸が胃や十二指腸の組織を溶かして潰瘍を発症します。
潰瘍は出血性病変であるため、進行すると下血や黒い便(タール便)が出るのです。
大量の飲酒が胃腸の環境悪化や過度な刺激につながると、がんの発症リスクも上がります。
なお下血が出た時に疑われる疾患は以下の通りです。
・急性胃粘膜病変(AGML)
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・胃がん
特にイカ墨のように真っ黒な便が出た場合は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんの可能性があります。
下血は胃や十二指腸から出血しており、重大な病気が隠れている場合があるので、注意が必要です。
放置せず早めに受診をしましょう。
血便はアルコールが原因じゃない?

アルコールで痔が悪化して出血しているだけだ、と安心してはいけません。
ときに、アルコールが直接の原因ではない、重大な病気が隠れている場合もあります。
症状の1つとして血便が出る病気は、以下の通りです。
・大腸がん
・感染性腸炎
・大腸憩室出血(だいちょうけいしつしゅっけつ)
・潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
・クローン病
この中でも命に関わる病気として、大腸がんがあげられます。
日常的にお尻の調子が悪い方や、日頃からお酒を多く飲んでいる方は要注意です。
実際に痔だと思って放置していたところ悪化してしまい、病院で検査をしたら大腸がんだったというケースも多いです。
一般的には運動不足や野菜・果物の不足、肥満や飲酒が大腸がんのリスクを引き上げる原因だといわれています。
大腸がんになり腸が狭くなると、下痢でなければ排便ができなかったり、便がたまることで激しい腹痛が起きたりします。
痔からの出血だろうとただの推測だけで安心せずに、早めに病院を受診しましょう。
血便の色と考えられる疾患

血便にも種類があり、色や状態によって考えられる疾患が異なります。
自分の便を確認して、日々の体調管理や検査を検討するための参考にしてください。
血便の色には、以下の4種類があります。
・黒色便(タール便)
・暗赤色便
・粘血便
・鮮血便
黒色便(タール便)
黒色便は、その名の通り真っ黒な便です。
この場合、胃・十二指腸潰瘍や胃がんが原因と考えられます。
特に胃で出血をしている場合には、胃酸と血液が混ざって真っ黒な便が出ることがあります。
出血が長引くと自覚症状がないまま貧血を起こしてしまうので、早めの受診が必要です。
原因をつきとめるために、胃の内視鏡検査を行います。
暗赤色便
暗赤食便は、薄暗い赤色や濃いレンガのような色をしています。
暗赤色の便は、小腸や大腸から出た血液と消化液がまざっている状態です。
この場合は、大腸の感染や血流障害による出血といった病気が疑われます。
腹部CT検査や大腸の内視鏡検査を行い、原因を特定します。
粘血便
粘血便は、べたべたとした液体と血液が混ざったような便です。便がマーブル模様や苺ジャム状と、特徴的な見た目をしています。
粘血便の原因としては、赤痢アメーバなどの感染症や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患が考えられます。
この場合も大腸の内視鏡検査が必要です。
鮮血便
鮮血便が出ると、トイレットペーパーに真っ赤な血が付着したり、便に真っ赤な血液が混ざっていることが確認できたりします。
便器が血で真っ赤になる原因も鮮血便です。
鮮血便は肛門の近くで出血していることが多く、痔が原因であることが多いです。
ただし大腸がん(直腸がん)でも鮮血便が出る可能性があるため、病院での精密検査をおすすめします。
気になる診察の流れ

血便や下血が気になる場合、大腸肛門科での診察は以下の流れで進みます。
1.問診で症状や経過の確認
2.出血の原因があるか肛門を診察
3.出血の原因を診断
診断を経て痔が原因だと考えられる場合は、軟膏や飲み薬による治療を開始します。
1~2週間後に再度状態を確認するために再診が必要です。
大腸からの出血が原因だと考えられる場合は、大腸内視鏡検査を実施します。
内視鏡を使うことで、血便の原因の特定が可能です。
診察が恥ずかしい場合にはプライバシーに配慮した病院もあるので、診察前に確認してみましょう。
ほとんど痛みのない大腸内視鏡検査を実施している病院もあります。
アルコール減量が腸とおしりに与える影響

アルコールが体に与える負担は大きく、大量・高濃度の飲酒はさまざまな病気や不調の原因になり得ます。
アルコール摂取が日々の息抜きやストレス発散の場合は、アルコールの減量から始めてみるのがおすすめです。
アルコールを減量するだけで腸やおしりに与える負担を軽減でき、不調の改善や病気の予防効果が期待できます。
下痢改善

アルコール減量が与える良い影響の1つ目が、下痢の改善です。
大量のアルコールを摂取することで水分や糖分、脂質の吸収が悪くなり、下痢につながります。
アルコールを減らすことで正しく吸収されるようになり、その結果下痢が改善します。
下痢がなくなれば腹やおしりの痛みも減り、飲食を今より楽しむことができるでしょう。
痔の改善
2つ目の良い影響は、出血の原因でもある痔の改善です。
アルコールを摂取することで痔に血液がたまり、痛みや出血の原因になります。
ここでアルコールを減量することによって痔の腫れが改善し、出血や痛みの頻度が減るのです。
アルコールの量を減らすだけで辛い痔から解放されるので、ぜひ試してみてください。
大腸癌のリスク減少
命に関わる大腸がんのリスクを減少させられるのが、3つ目の良い影響です。
大腸がんの原因はアルコールだけではありませんが、アルコールが原因の1つであることが科学的に証明されています。
つまりアルコールを減らすことで、大腸がんのリスクを減らすことができるのです。
がんになる原因は様々ですが、科学的に明らかになっている部分から積極的に改善していくことをおすすめします。
アルコール摂取後の血便を甘く見ない

アルコール摂取後の血便を甘く見て放置していたら、重大な病気が隠れていたという恐ろしい状況も想定されます。
実際に痔だと思って放置していたところ悪化してしまい、検査を受けたら大腸がんが発覚したという事例もあります。
血便が出るのはどんな原因が隠れていようと、体からの「SOS」です。
・いつ血便が出たのか
・血便の頻度はどのくらいか
・血便以外の症状はあるのか
これらをしっかり把握し、病院の受診を検討しましょう。
血便を甘くみることなく、不安な症状があれば早めに検査することをおすすめします。
まとめ

大量のアルコールで痔や下痢が悪化すると、確かに血便が出やすくなります。
この知識により、血便の原因は痔のせいだろうと安心してしまう人が多い傾向です。
しかし血便の裏には大腸がんなどの重大な病気が隠れている可能性があります。
油断せずにしっかりと健康管理をし、検査も検討しましょう。
下血が出る場合は胃や十二指腸の病気が隠れているかもしれません。早めに受診してください。
プライバシーに配慮していたり、痛みもほとんどなく検査できたりする病院もあるので、心配な場合は事前に確認しましょう。
痛みに不安がある場合は鎮静剤や麻酔を使い、安心して検査が受けられるような環境を整えてもらえることもあります。
血便や下血が出た場合は、体内で異常が発症しているサインです。放置せず、しっかりと対処してください。
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こちらの記事の監修医師
医療法人菁莱軒田中医院
鈴木歩
〇病院名 :医療法人菁莱軒田中医院
〇医師 :鈴木歩
〇アクセス:青森県三戸郡五戸町鍛冶屋窪上ミ33-2
〇診療科 :内科 / 在宅療養支援診療所
〇経歴:平成13年 自治医科大学卒業
平成13年 青森県立中央病院
平成15年 田子病院
平成17年 むつ総合病院
平成19年 八戸赤十字病院
平成20年 大間病院 副院長
平成22年 八戸赤十字病院 内科副部長
平成26年 八戸赤十字病院 内科部長
平成29年 医療法人菁莱軒田中医院院長
日本内科学会認定医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医
消化管学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医
日本がん治療認定医機構認定医
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