最終更新日:2021年8月24日
扁桃がんの症状を解説|頻度や発生要因は?扁桃がんの検査から治療までの流れや早期発見のポイントもご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

扁桃がんは私たちが口を開くと奥に見える扁桃腺に発症するがんで、中咽頭がんの一種としてみなされています。
扁桃がんの進行速度は遅く初期状態では痛みを感じません。
その結果、異常を感じ始めた時は病状がかなり進んでいる状態です。
扁桃がんの進行度別の症状や発生要因、予防法、検査から治療までの流れをつかみ、早期発見につながるポイントを確認しましょう。
扁桃がんの進行度別の症状

扁桃がんの進行度別の症状を詳しく見ていきます。
第Ⅰ期
扁桃がんの第1期症状は、違和感がないことが多いようです。
痛みは特に感じずに喉が少し腫れている程度の感覚になります。
がんの進行度合いを表すTNM分類でみますと腫瘍の兆候があるがリンパ節への移転が認められない状況です。
飲食物を喉に通しても痛みは感じず、喉の通りも普段とほとんど変わりません。
自分では喉が少し腫れているだけで特に問題はないといった自覚症状なのです。
第Ⅱ期
扁桃がんの第2期症状で声のかすれを自覚します。
風邪をひいたわけでも大声を上げたこともないのに何故か声がかすれます。
喉の痛みや扁桃腺のひどい腫れまでは起こっていないのがこの時期の特徴です。
がんの進行度合いを示すTNM分類では腫瘍の確認が認められるもリンパ節への移転はない状況です。
第Ⅲ期
扁桃がんの第3期症状になると、飲食物の喉の通りに明らかな異変を感じ始めます。
飲み込みにくくなり、違和感が出るのも特徴です。また声のかすれもはっきり自覚できるほどになってきます。
TNM分類では腫瘍の大きさが顕著になってきますがリンパ節への移転はまだ認められていません。
この第3期の症状が体の異変を自覚させる症状ともいえるでしょう。
第Ⅳ期
扁桃がんの第4期症状になるとリンパ節の影響で首のしこりや耳閉感・鼻づまり・扁桃腺の腫れが顕著になってきます。
この症状を2週間以上自覚するようなら、がんの進行が進んでいるかもしれません。
TNM分類では個人差もありますが腫瘍は大きくなりリンパ節転移も疑いようがなくなり各部位への転移も始まります。
扁桃がんの頻度と発生要因

扁桃がんの発生頻度と発生要因について見ていきます。
扁桃がんの発生頻度

扁桃がんの発生頻度は、頭頚部悪性腫瘍の発生頻度の10%程度といわれています。
さらに頭頚部に関わるがん全体の発生数の5%程度です。
頭頚部とは頭の先から首までの部位を指します。
体全体のがん発生数からみれば扁桃腺がんの発生はかなりまれです。
扁桃がんの発生要因
扁桃がんの発生要因として考えられるものは3つあります。
・不規則な生活
・喫煙
・飲酒
喉に食べ物や飲み物、煙などが通った際に接触してしまう扁桃腺は、刺激の強いものに触れるとがん発生のリスクが高まるのです。
また不規則な生活でストレスをため、体に十分な休養を与えられなった結果免疫活動に支障をきたすことも原因と考えられます。
扁桃がんの検査と診断

扁桃がんを確認するための検査のタイミングと診断方法を見ていきます。
扁桃がんの検査のタイミング
扁桃がんが疑わしい場合の検査のタイミングは以下の5つが考えられます。
・嚥下時に喉がしみる
・喉の痛みがひどく飲食物を飲み込めない
・喋りにくい
・喉からの出血
・呼吸困難
これらの症状を自覚したら速やかに医療機関に行って検査を受ける必要があります。
扁桃がんの診断

扁桃がんの診察・診断方法は以下の3つが一般的です。
・問診
・視診、触診
・ファイバースコープ
医師は患者に問診し、必要な視診・触診を行います。
その際、医師が必要と判断した場合にはファイバースコープを使用して病巣と思われる箇所を細部にわたって確認します。
扁桃がんの検査方法
医師の診察の結果、検査の必要性を認めた場合はファイバースコープによって病巣の小さな肉片を採取し2つの検査を行います。
・病理組織検査
・画像検査
病巣の肉片の検査結果によって扁桃がんと判断された場合、CT・MRI・PET-CTといった画像検査を行うのが一般的です。
そして、病巣部の広がりがどのようになっているか確認し治療法を選択します。
扁桃がん治療の流れ

扁桃がんの治療の流れを見ていきます。
医師が患者の扁桃がんの進行具合、部位やウイルスの関与そして治療後の後遺症の影響などを判断して治療法を決めます。
扁桃がんの治療は大きく分けて放射線療法と外科手術の2種類です。
放射線療法
放射線療法は扁桃がんの進行が比較的軽度の場合に用いられる治療方法です。
放射線療法の概要は以下となります。
・30回前後に分割して照射
・1回の照射時間は数分
・照射範囲は頸部と扁桃がんを含めた範囲
放射線療法は早期発見できていれば外科手術と同等の成果を期待できるでしょう。
さらに化学療法と併用することによって治療成果も高まります。
ただ、副作用の可能性を完全に取り除けないという難点もあります。
外科手術
扁桃がんの外科手術は、がんの広がりや深さを医師が確認した結果、手に負えないと判断した場合に実施します。
がんの部位が小さい場合は切除だけで手術が終わるケースも多く、咽頭機能に問題も起こりにくいのが特徴です。
しかし、がんの部位が大きいと手術後の欠損部分も大きくなるため嚥下機能障害や講音障害などのリスクがあります。
そのため一般的な切開手術のほかに、術後の成果を考慮した2つの手術も医師の判断により行われます。
・再建手術
・頸部郭清術
再建手術は欠損箇所の機能障害をおさえるため腹部の筋肉や皮膚を移植するものです。
頸部郭清術は頸部リンパ節への転移を防ぐ目的で行われます。
再建外科手術は技術の向上により、術後の生活の質の保持に貢献しています。
リハビリは?
扁桃がんの放射線療法や手術が終わったら、医師と相談して定期的なリハビリを開始します。
リハビリメニューは担当した医師が作成し、患者はそれらのメニューを実践します。
また定期的な通院も必要です。
術後1年目は月に1回、2年目で2カ月に1回のペースで通院して検査を受けましょう。
リハビリは社会生活に復帰するための大切な期間です。
医師からの指示を守って正しい方法で行いましょう。
扁桃がんの予防

扁桃がんの予防について見ていきます。
扁桃がんがいくら頭頚部全体のがんの発生率の5%程度だとはいえ絶対に発生しないがんだとはいえません。
正しい知識のもとで扁桃がんの発生を予防するためのポイントを見ていきます。
禁煙や節度ある飲酒
扁桃がんの予防で医師が必ず奨励する2つの方法があります。
・禁煙
・節度ある飲酒
禁煙と節度ある飲酒の2つは、扁桃がんのみならず全てのがんの発生を予防するとして医師が明確に奨励しています。
喫煙はがん予防を妨げる最大危険要因です。
また吸う本人だけではなく、吐き出された煙を吸い込む受動喫煙者にも大きなリスクを与えています。
様々な弊害を巻き起こす喫煙は健康というテーマを語る上で見過ごせないハイリスク習慣です。
節度ある飲酒もがん予防にとって欠かせません。
毎日飲酒しても量が適正なら問題ありませんが、量が多ければがんの発生率は上昇するのです。
そして飲酒に喫煙が重なるとがん発生のリスクがより大きくなることが分かっています。
お酒もたばこも喉を通るからです。
禁煙に徹し、休肝日を設けて節度ある飲酒を心がけることが扁桃がん予防につながります。
健康的な生活習慣
健康的な生活習慣を心がけることも扁桃がんの予防には大切です。
健康的な生活習慣は5つあげられます。
・禁煙
・節酒
・食習慣(塩分を控える)
・運動
・肥満を防ぐ
禁煙と節酒以外に、上記を心がけて日常生活を送ることで、扁桃がんの予防対策ができるのです。
塩分の摂り過ぎは高血圧につながります。
過度に刺激のある香辛料や熱すぎるもの、冷たすぎるものも扁桃腺に負担をかけます。
適度な運動を続け、筋肉量を落とさないようにしましょう。
肥満の防止は全ての生活習慣病予防のカギといえます。
適正体重を把握して十分な栄養と睡眠をとり、免疫力を高めることで扁桃がんを退けましょう。
早期発見のポイント

扁桃がんの早期発見のポイントを詳しく見ていきます。
初期症状は気付きにくい
扁桃がんは上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんを含めて初期症状に気付きにくいのが特徴です。
痛みも感じず自覚症状もありません。
扁桃がんを含む喉頭がんは症状を自覚した時点でかなり進行していると考えられます。
扁桃がんを疑う兆候の例
扁桃がんを疑う兆候には以下のような症状があげられます。
・喉の腫れ
・喉を通る時のひっかかり
・嚥下時のしみる痛さ
・発声の異変
・首のリンパ節の腫れ
扁桃は口の奥にあるため直接見て確認することはできません。
しかし飲酒や喫煙が頻繁で年齢は50歳頃、上記のような症状を自覚したら速やかに医療機関で検査を受けるべきでしょう。
がん検診の利用
がんの早期発見・予防にはがん検診を利用しましょう。
市区町村などの自治体から委託を受けている医療機関で受診できます。
もしかかりつけの医師がいれば詳しい内容を聞いて紹介状を書いてもらえます。
がん検診はがんの早期発見に特化した健診です。
もし疑いを感じる兆候があれば速やかに受診してください。
早期発見こそが、がん治療の第一歩です。
違和感があったら耳鼻咽喉科へ

早期発見が難しい扁桃がんですが、もしいつもと違う感覚があるなら速やかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
特に日頃から喫煙や飲酒を続けている方は、喉に異変を感じたら速やかに検査すべきです。
扁桃がんは自覚症状が出た時点で既にがんが進行していますが、治療法は確立されています。
ただリンパ節転移が起きるまで放置してしまうと、生命のリスクを抱えるかもしれません。
早期発見・早期治療をこころがけたいものです。
まとめ

扁桃がんは頭頚部全体のがんの発生率からみると比較的発生の少ないがんといえます。
しかし安心するわけにはいきません。
扁桃腺は中咽頭を占めていてリンパ節に近いため、リンパ節転移を起こすことがあるのです。
その結果、手をつけられない状態になる可能性も考えられます。
少しでも自覚症状を感じたなら速やかに医療機関を受診しましょう。
そして喫煙・飲酒の生活パターンの見直しを図り扁桃がんの予防に努めましょう。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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