最終更新日:2021年8月24日
白血病の症状を解説|白血病の種類や発症原因は?白血病を疑うサインや治療法・治療後の注意点をご紹介
こちらの記事の監修医師
西高松キッズクリニック
杉峯貴文

白血病は血液のガンといわれています。
血液を作る過程で何らかの異常が発生し、白血病細胞というガン細胞が作られることがあります。
これが血液や骨髄の中に増殖することで、白血病を発病するのです。
白血病を発症すると、正常な血液細胞が減少してさまざまな症状が現れます。
この記事では白血病の種類や発症原因とともに、白血病を疑うサインや治療法・治療後の注意点をみていきましょう。
白血病の種類

進行の速さにより急性白血病と慢性白血病に、どの細胞がガン化したかによって骨髄性とリンパ性に分かれます。
急性白血病
血液細胞の種類は複数ありますが、実はどれも同じ細胞からできています。
どの細胞になるか分からない状態で遺伝子に異常が出た場合、がん化した血球ばかりが作られてしまうことがあります。
これが白血病のはじまりです。
急性白血病は急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病・急性前脊髄球性白血病など複数の種類があります。
急性骨髄性白血病は血球のもととなる骨髄芽球の遺伝子に何かしらの異常が起き、がん化した細胞が増えていく疾患です。
つまり、どの遺伝子・染色体の異常かは特定せず、さまざまな白血病の総称といえます。
この中の一種が急性前骨髄球性白血病です。
こちらは染色体の異常によるもので、どの染色体が悪さをしているか特定されています。
血液の凝固に関連した症状が出るのが特徴です。
急性リンパ性白血病は骨髄芽球の異常ではなく、比較的若いリンパ球ががん化するもので、小児の白血病に多く見られます。
白血病細胞が血流に乗って肝臓・脾臓・リンパ節・脳・精巣などの体内のあらゆる場所に蓄積されるのが特徴です。
急性リンパ性白血病のおよそ75%が小児の罹患であり、中でも2〜5歳に多く見られます。
慢性白血病

ゆっくりと進行する白血病が慢性白血病です。
慢性骨髄性白血病・慢性リンパ性白血病・成人T細胞白血病・骨髄異形成症候群など複数種に分けられます。
慢性骨髄性白血病は、骨髄芽球より更に若い造血幹細胞の異常によってあらゆる血球ががん化しながら増加するのが特徴です。
しかしがん化した血球は正常な血球と同じように働き続けるため症状が見えにくく、進行もゆっくりしています。
慢性リンパ性白血病は上記の中でもリンパ球が増える疾患です。
正常なリンパ球は徐々に減少していくため、感染症にかかりやすくなります。
成人T細胞白血病はウイルス感染によって起きる白血病です。
HTLV-1というウイルスがT細胞という白血球に感染し、ここからがん化した細胞がどんどん増えていきます。
骨髄異形成症候群は血球の形に異常が見られる白血病です。
形に異常があるためうまく細胞が分裂できず、成熟してもすぐに壊れてしまうことも少なくありません。
その結果貧血や出血しやすいといった症状が出ることがあります。
白血病の症状

白血病の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。
実は必ずしも症状が現れるとは限りません。
主な症状
体のだるさや発熱、あざ、鼻血などが代表的な自覚症状です。
赤血球が減少するため貧血、動悸、だるさといった症状が多くみられます。
白血球が減少すると発熱しやすく、血小板が減少すると鼻血や歯茎からの出血、あざができやすくなるのが特徴です。
白血病細胞が臓器まではいりこんだ場合には腹部の腫れや痛み、腰痛、関節痛が現れることもあります。
慢性白血病は初めは無症状の場合も
慢性白血病は慢性期・移行期・急性期の3段階に分けられます。
慢性期(3年〜5年)は殆ど症状が見られず、生命の危険はありません。
移行期(〜半年)には貧血や発熱、痛みを自覚するようになります。
慢性白血病の初期は無症状が多く、健康診断や検診で見つかる場合がほとんどです。
慢性白血病の85%は慢性期で発見されています。血液検査で白血球の数値が高くなるのが特徴です。
急性期は急性白血病と同じ症状(貧血・発熱・出血)が現れ、生命に危険が及びます。
白血病と診断されたらすぐに治療を開始して、急性期に移行しないようにすることが大切です。
白血病の発症原因

血液の中にがん細胞が増えることで正常な血球を作れなくなり、症状が現れます。
骨髄系幹細胞またはリンパ系幹細胞の遺伝子異変
骨の内部の骨髄には、全ての血球を作る造血幹細胞があります。
この造血性幹細胞は、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞にわけることができます。
骨髄系幹細胞から赤血球や白血球(顆粒球、単珠)、血小板が作られ、リンパ系幹細胞からはリンパ球が作られます。
増殖分化した細胞は一定の寿命が来ると死滅しますが、人間の体内から血液がなくなることはありません。
造血幹細胞は人が生きている限り血球を作り続けているのです。
造血幹細胞に遺伝子異変があると正常な細胞が作られなくなります。
一方で血液細胞になる途中の骨髄芽球はがん化して増殖し続け、急性骨髄性白血病となるのです。
遺伝子異変を起こす原因は不明

遺伝子異常を引き起こす原因は殆ど不明です。
慢性骨髄性白血病は、フィラデルフィアという異常な染色体が原因とされています。
人間には46本の染色体がありますが、一部の染色体が組み換えを起した結果生じるのがフィラデルフィア染色体です。
白血病の方に見られる染色体異常ということは分かっているものの、フィラデルフィア染色体が作られる原因は解明されていません。
他のがん治療の後に発症する場合も
他のガンの治療のための抗がん剤治療や、放射線治療を受けた後にも白血病を発症することがあります。
白血病を疑うサイン

白血病を発症すると正常な血球が減少するため息切れ・動悸・倦怠感・あざ・出血班・鼻血・貧血・発熱などの症状が出現します。
また異常ながん細胞が各臓器に入り込むことで臓器やリンパの腫れ・腰痛・嘔吐といった様々な症状が現れます。
慢性白血病の場合は初期症状が殆ど出ないケースが多いため注意が必要です。
急性の場合は急激に進行しますので、これらの症状に気が付いたら医療機関に相談しましょう。
白血病の治療法

治療方法は薬物療法と造血幹細胞移植の2種類です。
白血病の症状によって治療方法が決められます。
基本は薬物療法
ガン細胞を直接的に殺す抗がん剤、特定の細胞を選んで殺す分子標的薬があります。
投与する際は白血病のタイプや年齢、症状や他の合併症とともに患者さんの希望も踏まえて決めていきます。
急性白血病の初期治療としては、寛解導入療法と呼ばれる多剤併用化学療法が一般的です。
強力な抗がん剤を使って、骨髄の白血病細胞を正常な細胞ともども壊します。
正常な細胞は白血病細胞より再増殖のスピードが速いため、結果的に白血病細胞が死滅し、正常な細胞だけ増殖させることが可能です。
寛解導入療法は強力な抗がん剤を使用するので副作用が出ますが、急性白血病が寛解するためメリットは大きいでしょう。
寛解の基準ですが、骨髄内にある白血病細胞が5%以下になれば完全寛解と診断されます。
ただしこれは白血病細胞が完全に消滅したわけではなく、正常な骨髄細胞の5%以下で存在している状態です。
もう1つの薬剤である分子標的薬を使うのは、CD33と呼ばれる抗体をもつ急性骨髄性白血病の場合です。
この薬が抗体の表面に結合することで殺細胞効果が現れます。抗体を持っているかどうかは血液検査で確認可能です。
慢性骨髄性白血病ではイマチニブという分子標的薬で圧倒的な治療効果が出ています。
フィラデルフィア染色体によって作られる酵素の働きを阻害し、がん細胞の産生を食い止める薬です。
初期治療時に投薬した人の長期生存率が90%以上あり、造血幹細胞を移植する同種造血幹移植より良い成績をあげています。
造血幹細胞移植も有力
この治療法ではまず、抗がん剤や放射線治療で白血病細胞を正常な骨髄細胞ごと根絶します。
そのあとでドナーから採取した正常な造血幹細胞を静脈から投与し、造血機能を復元させます。
移植に用いる造血幹細胞は骨髄や末梢血、臍帯血由来の3つです。
造血幹細胞移植には、患者さんの造血幹細胞を利用する自家造血幹細胞移植と、ドナーから正常な造血幹細胞を投与する同種造血幹細胞移植があります。
白血病の治療においては同種造血幹細胞移植が一般的です。
その場合のドナーは血縁者・非血縁者であっても白血球の血液型が一致している必要があります。
該当するドナーがいない場合は、骨髄バンクや臍帯血バンクから提供を受けることになります。
白血病治療後の注意点

白血病の治療中・治療後は普段の生活より丁寧に過ごすことをおすすめします。
具体的には、以下2点に気をつけて過ごしましょう。
疲れたらすぐに横になれるようにしておく
治療後しばらくの間は、疲れたら無理をしないですぐ横になるようにしてください。
この間は体力の回復のため、家の周りの散歩など軽い運動をするようにしましょう。急に発熱、息切れ、しつこい咳などの症状があれば、すぐに担当医に報告することをおすすめします。
薬物治療中は感染予防を徹底する
白血病時は健康な人に害のない弱い細菌やカビ、ウイルスなどでも感染症にかかりやすい状態です。
外来で薬物治療を受けている時は免疫機能が非常に弱っていることで、感染症も起こりやすくなるため注意しましょう。
寒い日には上着を1枚多く羽織るなどして体を冷やさないようにします。
とげが刺さったり、虫に刺されたりしたら消毒液を塗って感染を予防することが大切です。
また免疫力アップのために適度な運動、質の良い睡眠、バランスの良い食事を心がけましょう。
日常生活ではマスクをつけ、手洗いやうがいを徹底して感染症を防いでください。
身体に異常を感じたら早めの検査を

もし体に少しでも異常を感じたら主治医に相談して、血液検査などをしましょう。
慢性骨髄性白血病は初期にあまり自覚症状がなく、血液検査で判明することがほとんどです。
集団検診の血液検査でも病気の兆候が確認できることは大いにあります。
早期発見、早期治療の重要性を心に留めておいてください。
まとめ

白血病は血液のガンといわれる怖い病気です。
さまざまな症状がありますので、疑わしい場合は血液検査や骨髄検査で原因をはっきりさせましょう。
治療が終わっても再発のリスクがあります。定期的な検査は必要です。
定期的に健康診断を受けること、そして少しでも気になる症状があればすぐに病院へ行くことを忘れないでください。
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こちらの記事の監修医師
西高松キッズクリニック
杉峯貴文
〇病院名 :西高松キッズクリニック
〇医師 :杉峯 貴文
〇アクセス: 高松市郷東町134-1西高松メディカルビル イーア4階
〇診療科 :小児科
〇経歴:
日本小児科学会認定小児科専門医
平成13年 香川県立中央病院 臨床初期研修 開始
平成15年 直島町立ふれあい診療所派遣 総合医 勤務
平成19年 香川県立中央病院 小児科 勤務
平成24年 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター小児科 勤務
平成31年4月 西高松キッズクリニック 院長
https://brain.nishitakamatsu.jp/pediatrics
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