最終更新日:2021年8月24日
エボラ出血熱の症状を解説|エボラ出血熱の主な原因や感染経路は?感染後の治療法や感染を疑うサインも紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

エボラ出血熱は致死率の高い感染症として知られている病気です。
日本では感染するリスクは低いものの、感染した場合適切に治療を受けなければ最悪の事態に陥ってしまう可能性があります。
今回はエボラ出血熱の症状の解説と、発症してしまう原因、その他感染経路や潜伏期間、治療法と予防について説明します。
また自身の状態がエボラ出血熱なのかわからないという方への判断のため、感染を疑うサインについても説明します。
エボラ出血熱の症状
エボラ出血熱の致死率は医療レベルやウイルスの種類によって大きく左右され、20~90%といわれています。
そのため、きちんとした対策を打たないと高い確率で亡くなってしまいます。
では、そもそもエボラ出血熱になるとどのような症状が出るのでしょうか。
エボラ出血熱の症状には大きく分けて第一期と第二期が存在します。症状が異なりますのでそれぞれ紹介します。
第一期の症状

第一期の症状としては以下のような症状があります。
・高熱
・頭痛
・筋肉痛
・咽頭炎
・全身の衰弱
一般的に風邪の症状と似ているため、医師でも判断がし難いです。
突然の発熱から始まり、その後風邪の諸症状に似た状態になりますが、エボラウイルスによって発症するため風邪の薬では治りません。
第二期の症状

第二期の症状は嘔吐や下痢、発疹や多臓器不全など通常の風邪では考えられない症状が出てきます。
第一期では通常の風邪と似た症状が出るため、エボラウイルスの感染を最初から疑うことはほとんどないでしょう。
第二期になってからエボラウイルスの感染を疑うケースが多いようです。
エボラ出血熱の主な原因

では、エボラ出血熱を発症する原因は何なのでしょうか。
一体どこから来たものなのか、どのように感染するかについても説明します。
エボラウイルスによるもの
エボラ出血熱を起こしているのはエボラウイルスです。
エボラウイルスを自然に持っているのはオオコウモリ科のフルーツコウモリだと考えられていますが、確定はされていません。
疑いのある動物の組織や血液を採取してウイルスを培養する方法で宿主を特定しようとしましたが、この方法で証明されたケースはありません。
しかし、エボラウイルスを持った動物の血液や分泌物、体液に人間が触れることで人間社会に持ち込まれていると考えられています。
直接接触によって感染する
エボラ出血熱は空気感染はしない感染症です。
分泌液等によって感染してしまうことから、エボラ出血熱に感染した人に直接触れてしまうと感染するリスクが高くなります。
人間同士に限らず、エボラウイルスに感染したペットに触れた場合も同様です。
また、エボラウイルスを持つ動物を食べた際にも感染する可能性があるため、十分な注意が必要です。
体液などの分泌液からも感染することから、「本人に直接触れていないから大丈夫」という安心の仕方をしてはいけません。
血液や排せつ物、唾液などの体液に触れたという場合も直接接触とみなされます。
エボラ出血熱を発症した方が触れたものには触れない、というくらいの対応が必要です。
エボラ出血熱の感染経路

エボラ出血熱・エボラウイルスの感染はどのように広がっていくのでしょうか。
直接接触以外での感染経路はあるのか、説明します。
動物から人への感染
エボラウイルスの感染でまず考えられるのが動物から人への感染です。
エボラウイルスを自然に持っているのはコウモリ等の動物ではないかと考えられているため、そこから感染したのでは、という考えです。
しかし実際には、どのように人間に感染するのかについてははっきりとした情報はありません。
ですが体液による感染が考えられる以上、エボラウイルスを持った動物が人間に咬みついたりしただけで感染するリスクは十分にあります。
人から人への感染
次に考えられるのが人から人への感染です。
空気感染しないことは分かっていますが、咳などによる飛沫感染については専門家の中でも意見が分かれており、可能性はゼロではありません。
また直接の接触以外で感染する状況としては、エボラ出血熱の症状の出た人が使った注射針などを介して感染することがあげられます。
基本的に、エボラ出血熱は症状が出る前であれば感染するリスクは低いとされている病気です。
しかし、症状が出た場合は血液を含む全ての体液に触れただけで感染するリスクはあります。
空気感染はありませんのでしっかりと対策をしておけば人から人への感染のリスクは低いといえるでしょう。
エボラ出血熱の潜伏期間

通常、エボラ出血熱の潜伏期間は2~21日といわれています。
もしもエボラウイルスに触れてしまったと考えた場合、21日間は様子を見た方が良いでしょう。
ここで気になるのが潜伏期間中の感染ですが、エボラ出血熱の場合それはありません。
エボラ出血熱は発熱などの諸症状が出てから初めて感染するものです。
潜伏してはいるが無症状という場合は誰かにうつすことはないといえるでしょう。
エボラ出血熱の治療法

亡くなる方が多いエボラ出血熱に関して、気になるのが治療法です。
どのような病気であれ、ワクチンがあったり特効薬があったりすれば前述のような致死率にはなりません。
では、なぜエボラ出血熱になると亡くなってしまう方が多いのでしょうか。
その点について、説明していきます。
有効な治療薬は確立していない
まず大前提として、エボラ出血熱に対する有効な治療薬はまだ存在していません。
また、発症しなくなるワクチンも存在していないため、もしもかかってしまった場合は発症は避けられないのです。
現状は次に説明するような対処療法しかありません。
対処療法をしていく中で、患者自身の免疫力を上げていく以外に方法はないといえます。
治療は対処療法のみ
対処療法においても注意が必要です。
前述の通り体液に触れただけで感染してしまうため、患者には直接触らないようにしなければなりません。
その中で、経口または点滴によって対応していきます。
下痢によって脱水症状を起こすだけであれば点滴で問題ありません。
しかし、他の感染症を併発しないための抗菌剤や、ビタミン剤、鎮痛剤を与えます。
それによって、患者の小康状態を保ち、その結果として免疫力を向上させるしか現状での治療法はありません。
今後ですが、エボラ出血熱の患者が多いとされるコンゴ民主共和国では様々な薬が開発されています。
患者の同意のもとで薬の検証を行っており、有効性と安全性の評価を進めています。
エボラ出血熱の予防法

現状では完璧な治療法は見つかっていません。
そのため、最も注意する必要があるのは予防です。
そもそもかからなければ治療をする必要はないため、かからないためにはどうしたら良いのかを考えていきましょう。
流行地域に行かない
日本でエボラ出血熱になったという方は今までいません。
流行地域として名が上がるのはアフリカ中央部です。
1976年に初めて発生して以降、エボラ出血熱は流行地域を中心に終息とアウトブレイクを繰り返しています。
完全にウイルスがなくなることは考えにくく、感染拡大が発生するリスクは常にあると考えた方が良いでしょう。
そのため、流行地域に行かないことが最大の予防法になります。
野生動物に触れない食さない
日本でのエボラ出血熱の感染事例がなく、日本にいれば安心だと考える方もいるかもしれません。
しかしあくまでも「日本ではまだ発見されていない」だけです。
自然発生する可能性はかなり低くとも、エボラウイルスを持った人を媒介として野生動物にうつり、野生動物の間で広がるということはあるかもしれません。
そのため、日本にいたとしても野生動物には極力触れないようにしましょう。
また、野生動物をジビエとして食べることがあるかもしれませんが、十分な加熱処理がされていない場合は非常に危険です。
エボラウイルスだけでなく、他の病原体に感染してしまうことも考えられます。
適切な処理や加熱が行われていない野生動物の肉を食べることは絶対に止めましょう。
流行地域での接触は避ける

流行地域に行かないのが一番の対策ではありますが、仕事などでどうしても渡航する必要が出ることもあるでしょう。
流行地域に行った場合は不必要に人と触れ合う行為、野生動物に触れる行為を避けましょう。
当然の話にはなりますが、病人に近づくことも避けてください。
エボラ出血熱は空気感染することはありませんので、流行地域にいるだけで問題があるということはありません。
流行地域へ行った際には手洗いなどの基本的な衛生対策は徹底してください。
エボラ出血熱の感染を疑うサイン

日本にいる場合であればエボラ出血熱を疑う必要はあまりありません。
疑う必要がある1つのサインは、感染流行地域に行った後に発熱をした場合です。
潜伏期間が最大で21日あるため、 1ヶ月以内に発熱した場合は疑うべきでしょう。
次に疑うべきサインは、エボラ出血熱だと思われる方と接触した後に発熱などの症状があった場合です。
感染症のため、発症した人と触れ合っただけでエボラ出血熱を発症してしまう危険性はあります。
エボラ出血熱の第一期では風邪と症状が似ているため、判断が難しい場合があります。
もしも自身にエボラ出血熱の疑いが少しでもある場合は、専門の病院を訪ねると良いでしょう。
まとめ

今回はエボラ出血熱の症状や予防法などを解説しました。
日本ではあまり身近に感じられない病気ですが、エボラ出血熱の流行地域に足を踏み入れた場合には感染のリスクを負ってしまいます。
もしも流行地域を訪れた後に体調を崩した場合は、感染の可能性を考慮に入れてください。
また、空気感染はしないものの立派な感染症ですので、他者にうつしてしまわないことも考えるべきでしょう。
幸いなことに、エボラ出血熱は発症してからでなければ他者にうつる危険性はないといわれています。
体調が悪い時に人と触れ合う機会は少ないとしても、少しでも疑いがある場合は十分に注意するべきでしょう。
有効な薬が開発されていない現状では致死率の高い病気ですので、まずはかからないようにするということを念頭に置いてください。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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