最終更新日:2021年6月25日
頭痛・むくみ・だるさ、梅雨の時期の養生法
こちらの記事の監修医師
森川 彰子

(画像=naka/stock.adobe.com)中国の伝統医学(中医学)では、私たち人間も自然界の一部であると考えています。季節の移り変わりに合わせ、しっかり養生することが健康を保つ秘けつです。季節ごとに弱りがちな臓器や季節が体にあたえる影響を知りましょう。そして、苦手な季節があればそこをケアすることで、一年を通して元気に過ごせます。
目次
梅雨や雨の日に体調が悪くなる
雨の日には頭が痛くなる、昔の古傷が痛む、台風が近づくと喘息がはじまったなど、体調の変化のほうが天気予報よりよく当たるという話がありますよね。
うつ症状やイライラやめまい、肩こりなどはっきりした原因のわからない不定愁訴(ふていしゅうそ)や手術後の痛みや関節痛がおこる、このような痛みを「天気痛」と呼んでいます。
愛知医科大学病院の天気痛ドクター佐藤純医師は、日本で初めて「天気痛外来」を開設されたそうです。このように、天気が原因で体調が悪くなる症状を西洋医学では「気象病」といいます。
湿気と頭痛(片頭痛)
片頭痛は、こめかみから目、頭全体がズキンズキンと絞めつけられるように痛みます。身体を動かして頭の位置を変えるとさらに痛みが増します。ときには吐き気を伴います。
これは、脳の血管が急激に拡張したために起こります。拡張した血管が、周囲の三叉神経を刺激し、発生した炎症物質がさらに血管を拡張するのです。
原因は、気候や気圧、気温の変化、食事内容や睡眠不足、睡眠過多、ストレスからの解放などが影響します。中医学(中国の伝統医学)では外感頭痛と呼ばれ、湿気が原因でおこると考えられています。
梅雨の体調不調の原因
梅雨は湿度が高く、気圧も気温も低めな天候が続きます。
低気圧による変化
- 急激な気圧の変化→ストレス→自律神経(交感神経と副交感神経)が乱れる
- 交感神経:血管収縮、心拍数を上げる、身体活動に都合の良い状態をつくる
- 副交感神経:血管を広げる、リラックス効果
- 交感神経と副交感神経が拮抗的に働くことで身体機能を保っている
これらの調整が急激な変化によりうまく働かなくなると、さまざまな体調不良を招くことになります。
低気圧になると、身体は副交感神経優位になり、緊張をほぐし、からだを休ませるほうに働くことでお休みモードになります。「だるい」「やる気が出ない」といった症状が出ると考えられます。
気温の寒暖差
梅雨は、南からの温暖な小笠原気団と北からの寒涼性のシベリア気団の勢力争いです。雨で気温がぐっと下がったり、翌日は真夏のように上がったりします。
同じ一日でも朝夕の冷え込みといった、気温差の激しい時期であることが身体にとってストレスとなり、疲れやすくなります。
湿邪(しつじゃ)
中医学(中国の伝統医学)では、「整体観」といって、人は自然界環境の一部であり、季節や気候などの自然の変化の影響を受ける、という考え方があります。
中国の最古の医学書「黄帝内経」によると、人間は自然界の恵みを受けて生かされているから、自然環境や季節、気候の変化に順応すれば健康を保つことができ、順応できなければ体に不調が生じ、病気を招くということが記されています。
このように、湿気が多い時期の体調不良を外から入ってくる「外湿」と体内から生じる「内湿」に分けて考えています。
身体が外からの湿邪に侵入されると、頭や身体が重く感じたり、むくんだりして動きが鈍くなります。普段からむくみがちであったり血の流れが良くない人は症状が悪化することがあります。
また、湿邪には「濁」という汚れて濁った余分な水分の性質もあります。目やにが出たり、分泌物がジュクジュクしたり、吹き出物などの皮膚のトラブルがおきやすくなります。
残尿感や尿が濁るというトラブルや女性ではおりものが多くなることもあります。
身体の内側から生じる「内湿」は胃腸機能の低下が原因で起こりますが、これは「外湿」とも関係があります。梅雨の季節の過剰な湿気(湿邪)は胃腸を弱らせると考えられており、高温多湿の梅雨は夏の季節は食欲不振や消化不良を起こしやすくなります。
胃腸が弱ると全身の水のめぐりが悪くなり、ますます湿気の溜まりやすい体になるのです。胃もたれ、下痢、軟便、食欲不振、倦怠感などが主な症状です。逆に、乾燥する季節である秋は胃腸の調子が良くなり「食欲の秋」となるのです。
梅雨の季節を上手に乗り切る方法(養生法)
自律神経を整えましょう
- 生活のリズムを整えましょう
- 晴れた日には太陽の光を浴びましょう
- 身体を動かしましょう
- 腹式呼吸、深呼吸をしましょう
室内の環境に工夫をしましょう
- エアコンの除湿や除湿器を利用しましょう
- 扇風機などで風を巡らせましょう
- 雨で濡れた身体は拭き、衣服も着替えましょう
食べ物で身体の調子を整えましょう(食養生)
- 身体のなかの水のめぐりを良くしましょう
- 脾(胃腸)の働きを高めましょう
- 水分の摂りすぎにも注意しましょう
梅雨にはどんなものを食べるといいのか?おすすめの食材
消化機能を高める
土に植えて芽の出るものには次の生命のもと(エネルギー)が宿っています。
もち米・玄米・黒米・ハト麦・山芋・かぼちゃ・小豆・人参・黒豆・生姜など穀類・豆類・いも類には、おなかの消化機能を高める働きがあります。
余分な水分を排泄する
小豆・緑豆・黒豆・ハト麦・きゅうり・トマト・ナス・ゴーヤ・冬瓜・わかめ・昆布などは、体内の水のめぐりを良くして、余分な水分を排泄してくれます。豆類・ウリ類・海藻類身体を冷やすものが多いので梅雨の時期には摂りすぎに注意しましょう。
梅雨特有の筋肉や関節の痛みを和らげる
冷えて痛むときは、よもぎ、シナモン、ジャスミン、サクランボ、うど、かりんなど、炎症があって痛むときは、ターメリック、サフラン、トウモロコシ、緑豆、ウリ類などがおすすめです。
食材の選び方のポイントと調理法
冷たいものの食べ過ぎ、飲みすぎ、雨に濡れたまま着替えなかった、などの状態のときには、身体を温める食材(温性)で水分を飛ばすと良いです。例えば、クローブ、シナモン、胡椒、山椒などの食材を選びましょう。
揚げ物など油物の食べ過ぎたときなどは、身体を冷やしながら湿気を飛ばす効果のある、ハト麦、緑豆、葛などを摂ると良いでしょう。
梅雨は体が冷えやすいので、胃腸に負担のかからないスープ、お粥、やわらかく煮込むなどの調理法がおすすめです。
最後に
ジメジメした雨の日が続くと気持ちも沈みがちになりますよね。昔からの言葉で「晴耕雨読」というものがあります。いろいろな解釈もあるようですが、読んで字のごとく「晴れた日は田畑を耕し、雨の日は家の中で読書を楽しむ」でもいいですし、コロナ禍でおうち時間を持て余している方は、花柄の傘でも買ってお散歩するのも良いかもしれませんね。
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こちらの記事の監修医師
森川 彰子
薬剤師、中医健康養生士、子宝カウンセラー、和学?薬膳博士。病院・調剤薬局での実務歴30年以上の薬剤師。整形外科医院で、対症療法を行ってもまたすぐに痛みを訴えて来院する腰痛・ひざ痛の高齢者たちのレントゲン写真に写るボロボロの骨を見て予防の大切さを痛感。他にも、症状が出てから薬が処方される医療では健康で充実した人生を守りきれないと感じる。予防という概念がまだ世間になかった20年前に、手探りでアロマやサプリメントなどを手始めに病気にならない生活と身体づくりを学ぶうち、中医学(中国伝統医学)と出会う。その後、漢方薬店での相談業務を通じて、子どもを授かりたいと切実に望むご夫婦に寄り添える伴走者でありたいと、薬学・中医学・薬膳などの知識も活かして授かりやすい身体づくりの指導とカウンセリングをスタートし、現在に至る。
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