最終更新日:2021年11月25日
1杯のココアが脳を活性化する可能性
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
1杯のココアが脳を活性化するかもしれない――英・バーミンガム大学のCatarina Rendeiro氏らによるココアが脳に与える影響を調査した報告が11月24日付の『Scientific Reports』誌に掲載された。報告によると、ココアに含まれるカカオポリフェノールの成分「フラバノール」が脳の酸素化を促進することが確認された。
フラバノールは血管機能改善効果があることで知られ、ココアのほかブドウ、リンゴ、茶、ベリー類などに豊富に含まれている。ココア1杯の摂取でも血管機能改善効果は認められるものの、どの程度の効果があるのかはこれまで十分に解明されてこなかった。著者らは「たった1杯のココアでも脳の酸素化反応が促進されるかを研究目的とした」と述べている。
18~45歳の健康な成人男性18名(平均年齢23.9±7.3歳)を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験を実施した。フラバノール入りの高用量(681.4mg)、または低用量(4.1mg)のココアをそれぞれ摂取し、2時間後に高炭酸ガス負荷試験を行った。1人の被験者につき、高用量/低用量のココア摂取後に試験を各1回ずつ、最低2週間以上の間隔を空けて行った。試験デザインは二重盲検法であり、摂取したフラバノールが高用量/低用量のどちらなのか、被験者および高炭酸ガス負荷試験を行う研究者のいずれにも知らされなかった。
効果判定に用いた高炭酸ガス負荷試験とは、5%の高濃度炭酸ガス(空気中の濃度の約100倍)を吸入する試験である。高濃度炭酸ガスを吸うと急上昇した血管内の炭酸ガス濃度を低下させるために酸素供給量を増やした結果、脳内血流が増加する反応が起きる(脳の酸素化反応)。このほか、被験者には行動制御や意思決定に関わる前頭葉領域の脳画像検査や問題解決能力を評価するための認知機能検査を行った。
フラバノール高用量ココア摂取後に高炭酸ガス負荷試験を受けた17人中13人が、低用量と比べて脳の酸素化反応の上昇幅が約3倍だった。反応が現れるまでの時間は、低用量より高用量のほうが約1分短く、高用量のほうがより早く脳の酸素化反応が起こることが分かった。脳画像検査でも同様に反応の差が確認され、認知機能検査でも高難易度の問題に対する回答速度が高用量で有意に短かった。
では、この研究結果をもとに、カカオを原材料としたチョコレート製品を買いに走るべきだろうか。「残念ながら、チョコレート製品にはフラバノールの含有量が表示されていない。市販のチョコレート製品を調査したこれまでの研究からは、製造過程でかなりの量のフラバノールが失われているようだ」と著者らは述べている。ただし「ブドウや緑茶、リンゴ、ベリー類などフラバノールを豊富に含む食品を摂取することで、脳および血管機能の改善効果に対して十分な量を得られる可能性はある」との見解を示した。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任
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