最終更新日:2021年9月23日
食中毒が治るまでにかかる日数|安静期間中の食事と病院へ行くべきケースとは?
こちらの記事の監修医師
めじろ内科クリニック
久野伸夫

食中毒はさまざまな原因で起こるため、何が原因かによって治るまでの日数は異なります。また、潜伏期間にも違いがあり、長い場合は数日が経過してから腹痛などの症状が出るため注意が必要です。食中毒が治るまでの期間、安静期間中の食事、病院へ行くべきケースについてまとめました。
食中毒が治るまでの時間・期間
食中毒とは食品に含まれる有害物質・有毒物質を摂取することで、胃腸などの消化器に関する症状などを起こす病気のことです。一般的には、同一の食品を摂取することで複数の人が発症した場合を指します。
多い症状としては下痢、腹痛、嘔吐、発熱などが挙げられ、しばらくの間は、このような症状が続くことになります。
食中毒は原因によって治るまでの日数が異なる
食中毒の原因は、「微生物」(細菌・ウイルス)、「自然毒」(フグ・毒キノコなど)、「化学物質」(農薬など)のいずれかです。
食中毒の種類と原因となるもの
| 食中毒を起こすもの | 具体例 |
| 細菌性食中毒 | 腸管出血性大腸菌(O-157など)、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラなど |
| ウイルス性食中毒 | ノロウイルス、ロタウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなど |
| 化学性食中毒 | 鮮度の落ちた魚(マグロ、カジキ、サバなど)、発酵食品(チーズなど)、腐敗した食品に含まれるヒスタミンやアミン、農薬、洗剤、有害金属(水銀、ヒ素など)など |
| 自然毒食中毒 | フグ、キノコ、じゃがいもなど |
食中毒で出る症状や潜伏期間などは原因物質によって異なり、治るまでの期間も比較的軽い症状では数時間〜数日、重い症状だと1〜2週間程度と差があります。
基本的には十分に加熱されていない卵、肉、魚などが原因のケースが多く、食品に付着した菌などが増殖することで食中毒を起こします。
【食中毒の原因別】潜伏期間と安静期間
具体的な食中毒の原因別に潜伏期間と安静期間を表にまとめました。
【食中毒の原因別】潜伏期間と安静期間
| 原因物質 | 潜伏期間 | 安静期間 |
| 黄色ブドウ球菌 | 3時間前後 | 3日前後 |
| 病原性大腸菌(O-157) | 3日〜8日 | 1週間前後 |
| 病原性大腸菌(そのほかの病原性大腸菌) | 5〜72時間 | 3日〜1週間 |
| サルモネラ菌 | 6〜48時間 | 5日程度 |
| カンピロバクター | 2〜7日 | 1週間程度 |
| 腸炎ビブリオ | 5〜40時間 | 2〜3日 |
| ノロウイルス | 24時間〜48時間 | 3日程度 |
| ボツリヌス菌 | 8〜36時間 | 1ヶ月〜3ヶ月程度の入院 |
| セレウス菌(嘔吐型) | 30分〜6時間 | 1日 |
| セレウス菌(下痢型) | 8〜16時間 | 1日 |
このように何が原因となるかによって、潜伏期間と安静期間は大きく異なります。安静にしていれば1日以内に落ち着くこともありますが、中には1ヶ月以上の入院が必要なケースもあるため油断できません。
食中毒で病院へ行くべき人・ケース
食中毒は原因となる物質が体外に排出されれば、徐々に症状は落ち着いていきます。そのため、比較的軽い症状なら自宅で安静にしていれば、自然に食中毒は治ることが多いです。
その一方で、次のような人・ケースでは病院へ行く必要があります。
【食中毒で病院へ行くべき人・ケース】
・症状が重症化しやすい高齢者や乳幼児
・病気などで抵抗力が弱っている人
・高熱が出ている
・耐えられないほどの腹痛がある
・嘔吐や下痢で水分補給、食事が困難である
・嘔吐で吐瀉物に血が混じっている
・便に血が混じっている
・痺れや息のしづらさがある
高齢者や乳幼児、抵抗力が弱っている人は、食中毒による症状が重症化しやすいため注意してください。
また、吐瀉物に血が混じっている場合、食道が裂けて出血している可能性もあり危険です。ほかにフグや毒キノコによる食中毒では、重症だと体の痺れ、呼吸困難などの症状も見られ、命に関わることもあります。
このようなケースでは、すぐに病院へ行く、もしくは救急車を呼び、医療機関で治療を受けてください。病院では脱水症を防ぐための点滴、原因物質に合わせた薬剤療法が行われることが多いです。
食中毒の症状が治るまでの食事などで注意すべきこと

もし食中毒になってしまったら、治るまでは次のようなことに注意してください。
【食中毒の症状が治るまでの食事などで注意すべきこと】
・しっかりと水分を摂取する
・消化の良い食べ物を少量ずつ摂る
・寝るときは仰向けを避ける
・同居する家族がいる場合は二次感染に注意する
しっかりと水分を摂取する
食中毒を起こすと下痢の症状が出ることは多いです。また、嘔吐もあり、体内の水分は失われやすい状態になります。体内の水分量が一定以上失われると脱水状態になり、食中毒とは別の危険が出てくるので注意しましょう。
そのため、食中毒になったらしっかりと水分補給してください。その際は、ミネラルなども含まれるスポーツドリンクや経口補水液が有効です。
脱水症が重症化しても死に至ることはあります。吐き気や嘔吐、下痢の症状があると水分を摂るのをためらうかもしれませんが、脱水症を防ぐために水分摂取は非常に重要です。
一方、症状があっても、下痢止めなどは服用すべきでないこともあります。下痢は有害物質、有毒物質を体外に出すための症状なので、下痢を止めてしまうと症状が良くなるのを邪魔してしまいます。
消化の良い食べ物を少量ずつ摂る
食中毒が治るまでは意識的に消化の良い食べ物を選び、少量ずつ摂取してください。
ただし、食事をすると嘔吐してしまう場合は無理に食べる必要はありません。吐き気や嘔吐の症状が落ち着いたら、消化の良い食べ物を少量ずつ摂るようにしましょう。
例えば、バナナ、おかゆ、うどん、野菜スープなどは消化が良くおすすめです。そのときは濃い味付けのものは避け、少しずつ食べて様子を見るようにしてください。避けた方が良い食べ物としては、揚げ物、乳製品、高脂肪食、糖分の多いものなどが挙げられます。
もし吐き気や嘔吐がまた出たなら、症状が落ち着くまでは食事を控えましょう。
寝るときは仰向けを避ける
吐き気や嘔吐の症状があるときに仰向けで寝ると、吐いたものが喉を塞いでしまう危険性もあります。
そのため、高齢者や小さな子供ではこのような症状がある場合は、仰向けを避け、横向きで寝るようにすると良いです。
同居する家族がいる場合は二次感染に注意する
同居する家族が食中毒になった際に注意したいのが二次感染です。例えば、ノロウイルスの場合、感染者の吐瀉物などによって二次感染することもあります。
また、二次感染するようなものではなくても、吐瀉物や便の扱いには注意してください。掃除するときは直接手に触れないようにビニール手袋、エプロン、マスクを装着しましょう。
吐瀉物や便はビニール袋に入れ、飛び散らないように密封して捨てることが重要です。最後は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取りをすると消毒、除菌になります。
ただし、次亜塩素酸ナトリウムはほかの洗剤と混ぜると危険なこともあり、使用方法をしっかりと確認した上で、十分な換気を行いながら使うようにしてください。
食中毒の症状は数日〜1週間ほど続くことが多い|治るまでは消化の良い食事を

食中毒の潜伏期間や安静期間は原因となる物質によって異なりますが、症状は数日から1週間ほどで良くなることが多いです。治るまではできるだけ消化の良い食事を意識して、水分補給もしっかりと行いましょう。
食中毒では、下痢や嘔吐の症状によって脱水症になる危険性もあります。重度の脱水症では命に関わることもあるので、スポーツドリンクなどを何度かに分けて摂取すると良いです。
原因物質や症状によっては医療機関での治療も必要なので、重症化しやすい高齢者や乳幼児、ひどい症状が続くときはすぐに受診してください。
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めじろ内科クリニック
久野伸夫
〇病院名:めじろ内科クリニック
〇医師 :久野伸夫
〇アクセス :東京都豊島区目白3丁目5−11 NOBビル3F
〇診療科:内科・糖尿病内科・消化器内科
【経歴】
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本糖尿病学会専門医
労働衛生コンサルタント
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