最終更新日:2021年8月24日
胃が痛い原因を解説!胃が痛い場合に考えられる病気は?それぞれの原因と治療法もあわせてご紹介します
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

胸とお腹の中間部、みぞおちと呼ばれる部分に痛みを感じたとき「胃が痛い」と表現します。
実際に痛みがなくても、緊張が高まる場面では比喩として「胃が痛い」を使うほど、胃痛はごくありふれた症状です。
よくある痛みだからこそ軽視しがちで、胃痛の裏にある何らかの病気を見逃している可能性があります。
まずは胃痛の一般的な原因や胃痛を起こす疾患、その治療法を知っておきましょう。
胃が痛い主な原因

胃に痛みを感じる原因は多岐にわたります。
そのため痛み方も痛みの程度も様々です。
胃酸によるもの
胃酸はその名の通り酸性の液体で、食べ物を消化するだけでなく細菌を死滅させることもできます。
その力はかなり強力で、鉄の塊に胃酸をかけると鉄が溶けていくほどの酸性を帯びています。
ではなぜ人間の胃は溶けず、食べ物だけが消化されていくのでしょうか。
その理由は「胃粘液」にあります。胃粘液が胃の中をコーティングし、強力な酸から胃を守っているのです。
しかし胃酸の量が増えすぎると胃粘膜が対応しきれなくなり、胃を傷つけてしまうことがあります。その結果起こるのが胃痛です。
胃酸を増やす要因としては食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスによる自律神経の乱れが挙げられます。
胃が「キリキリ」と痛むのが特徴です。
胃痙攣によるもの
胃痙攣が起きると突然激しい痛みがみぞおち部分に生じます。
胃痙攣の多くはストレスが原因とされており、長引くストレスで急激に痙攣することもあれば、大きなストレスで痙攣することもあります。
また胃や膵臓の疾患も胃痙攣の原因です。
突然強い痛みに襲われ、継続時間は長いと数時間単位、脂汗が出るほどの強烈な痛みのため吐き気を伴うこともあります。
胃腸機能低下によるもの
胃そのものには疾患がないのにみぞおちが痛んだり、胃もたれが起きたりすることがあります。
胃腸機能を低下させる機能性ディスペプシアという疾患による症状もその一つです。
機能性ディスペプシアはストレスによって発症するといわれています。
日常生活でよくある原因

胃痛の原因として、また胃部疾患の原因として考えられているのが生活習慣の乱れです。
また近年ではヘリコバクター・ピロリという細菌が胃部疾患を引き起こすことも分かっています。
食生活
暴飲暴食やアルコールの飲み過ぎ、胃を刺激する香辛料や脂分の摂りすぎといった食生活を続けると胃酸過多の状態になります。
その結果胃粘膜が傷つき、胃が痛くなるのです。
ストレス
自律神経は体の様々な臓器の働きを制御しており、胃や十二指腸も例外ではありません。
ストレスによって自律神経のバランスが乱れると胃の働きが悪くなり、働きをよくしようと大量の胃酸が分泌されて胃痛が起きます。
ピロリ菌
ピロリ菌は幼児期に多くの方が感染しますが、特に症状が出ないまま経過する方が大半です。
しかしこの菌は胃潰瘍や胃がんのリスクを高めることが知られており、胃の不調を繰り返す方にも高確率でピロリ菌が生息しています。
ピロリ菌はなぜ胃酸の影響を受けないのでしょうか。
実は胃酸を中和させるアンモニアを放出して胃の中で生き延びているのです。
健康診断で胃の精査を行った結果ピロリ菌が検出されることがあり、胃がんなどのリスクを下げるために除菌治療が勧められます。
胃が痛い場合に考えられる病気

ストレスや食べ過ぎ・飲み過ぎなど思い当たることがないものの胃痛を繰り返す場合、何らかの疾患によって痛みが出ている可能性もあります。
神経性胃炎
胃痛だけでなく喉の違和感や胸焼け、肩こりなど様々な症状が出現するのが神経性胃炎です。
長引くストレスや睡眠不足によって自律神経が乱れ、胃酸が増えすぎることで胃痛を引き起こします。
よくある胃痛だと思って放置すると潰瘍ができたり、食欲不振から栄養失調に陥ったりすることもあるため注意が必要です。
膵炎
胃痛は必ずしも胃の病気によるものとは限りません。急性膵炎によっても胃痛が起きます。
膵臓は消化酵素を分泌する臓器です。胃酸と同じく消化酵素も多量に分泌しすぎると膵臓自身を傷つけて炎症を起こします。
急性膵炎の症状は胃から背中にかけての断続的な強い痛みが特徴です。また吐き気や発熱も伴います。
消化酵素による炎症が少しずつ広がっていく慢性膵炎の場合も同じ部位に痛みが出ますが、痛みの程度は強くありません。
胃がん
胃がんも胃痛の原因です。とはいえ胃がんの初期段階では痛みがほとんど出ません。
症状は胃の痛みや不快感・違和感のほか胸やけや食欲不振などが挙げられます。
また胃の中で出血が起きると便が黒くなり、体重減少などもみられます。
急性(または慢性)胃炎の原因と治療法

胃痛を起こす病気としては「胃炎」が知られています。
胃炎は急性胃炎・慢性胃炎に分類され、共通する症状は炎症による胃痛です。
生活習慣の乱れや細菌の感染が原因

急性胃炎の原因の多くは生活の中にあります。
コーヒーやアルコールの飲み過ぎ、暴飲暴食などの食生活がそのうちの一つです。
食べ物だけでなく喫煙も急性胃炎の原因になります。
またストレスも急性胃炎の代表的な原因に挙げられるでしょう。
慢性胃炎の原因として考えられるのはピロリ菌感染です。
胃に感染したピロリ菌は体にとって異物であり、免疫機能が働いてピロリ菌を取り除こうとします。
このとき白血球がピロリ菌を攻撃し、炎症が起きるのです。
こうした炎症が何度も繰り返されることで慢性胃炎に移行します。
症状としては胃痛と胃の不快感、吐き気などです。
急性(または慢性)胃炎の治療法
急性胃炎の場合は何といっても生活習慣の改善が重要です。
嗜好品の摂取量を減らして暴飲暴食を避け、規則正しい生活とストレス解消を心がけましょう。
適量の食事でも脂分が多すぎると胃に負担をかけますので注意してください。
また胃痛を抑え、胃の働きを正常にするためには投薬治療が必要です。
胃酸過多であれば胃酸を抑える薬や粘膜保護薬、機能低下が疑われる場合は胃の運動機能改善薬が処方されます。
慢性胃炎でピロリ菌感染が確認されたら、除菌治療が必要です。この治療ではプロトンポンプ阻害薬と抗生物質を1週間服用します。
逆流性食道炎の原因と治療法

胃酸は胃の中で分泌されますが、何らかの原因によって胃より上部、食道に流れ込んで炎症を起こすことがあります。
これが逆流性食道炎です。
食生活や強い圧力が原因
胃粘膜によって保護されている胃とは異なり、食道は守られていません。
そのため万が一胃酸が逆流しても食道に侵入しないよう、食道の出口を括約筋によって塞ぐシステムが存在します。
しかし食べ過ぎや飲み過ぎ・早食いによって胃が膨れ、食道に向かって圧力がかかると括約筋が負けてしまうのです。
食べ過ぎの状態では当然胃酸過多になっており、逆流する胃酸の量が多くなり炎症が起きやすいといえます。
胃酸の逆流を繰り返すと炎症が潰瘍化する可能性もあるため、早めの治療が必要です。
逆流性食道炎の治療法

胃炎の治療と同様に生活習慣の改善と投薬によって治療を行います。
食事内容はもちろん、食後すぐ横になることや腹部を圧迫する体勢を避けるといった「姿勢」も改善が必要です。
薬物治療としてはまず胃酸の分泌を薬で抑制し、胸焼けや胃痛などのつらい症状を緩和します。
逆流性食道炎は繰り返しやすいため、症状が良くなったと思っても自己判断で服用を中断せず、医師の処方通りに薬を飲みきってください。
胃・十二指腸潰瘍の原因と治療法

胃潰瘍や十二指腸潰瘍も胃痛を伴います。
胃潰瘍では食事中や食事後、十二指腸潰瘍ではお腹が空いているときに胃が痛むのが特徴です。
ピロリ菌の感染や鎮痛剤が原因
健康な胃の中では粘液と胃酸のバランスがうまく取れている状態です。
しかし胃酸が少なすぎると消化不良を起こし、多すぎると胃粘膜を傷つけて炎症を引き起こします。
更にバランスが大きく崩れ、胃酸の影響で粘膜の奥をえぐるようにして組織が破壊された状態が胃潰瘍・十二指腸潰瘍です。
近年はピロリ菌の関与が指摘されており、その他では解熱鎮痛剤の成分も原因の一つといわれています。
胃・十二指腸潰瘍の治療法
食事療法や生活改善で胃への負担を軽減し、薬剤で症状を緩和します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍では出血を起こすこともあるため、その傾向が見られたら胃を休ませることが重要です。
柔らかく消化のよい食事を少量ずつ摂り、症状の改善が確認できたら少しずつ普通の食事に戻していきます。
また胃酸を抑える薬と粘膜を保護する薬によって胃痛や胸焼けを緩和させ、つらい症状を取り除くことも大切な治療です。
胃がんが潜んでいる場合も

胃がんの発生とピロリ菌感染は明確に関連しており、ピロリ菌を除去することで胃がんの発生リスクを下げられることが分かっています。
逆にいえばピロリ菌に感染していれば胃がんのリスクがあるのです。
胃痛から胃炎や胃潰瘍を疑って検査を行った際、ピロリ菌感染が確認できたら除菌治療を行いましょう。
今の時点で胃にがん細胞が存在していなくても、将来的にがん化するリスクは誰にでもあります。
そのリスクを少しでも下げるために、ピロリ菌の除去は非常に重要です。
たかが胃痛と思わず異変を感じたら受診を

胃痛は誰にでも起こり得る症状であり「たかが胃痛」と片付けてしまいがちです。
しかし痛みが出るのには必ず何かしらの理由があります。つまり胃が出している「サイン」だと思いましょう。
このサインが翌日消えているようであれば心配いりませんが、長く続く、あるいは繰り返すならしっかりと耳を傾ける必要があります。
また痛みが強くなくても長く続くと不安になり、不安がストレスの原因になることもあるのです。
いつもと違う胃の痛みや長引く胃の痛みを感じたら、病院を受診してください。
まとめ

胃が痛くなる原因は多岐にわたりますが、その多くが生活習慣と深く結びついています。
つまり胃の痛みは自身の心がけである程度予防できるのです。
胃に負担をかけない食生活とストレス解消、まずはここから始めてみましょう。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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