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痙性斜頚(頸部ジストニア)【イシャチョク】

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最終更新日:2022年2月18日

けいせいしゃけい(けいぶじすとにあ)痙性斜頚(頸部ジストニア)

こちらの記事の監修医師
もり脳神経外科クリニック
森 達郎

概要

痙性斜頸は、首や肩の周囲の筋肉が意思とは関係なく収縮し、それによって頭、首、肩などが不自然な姿勢を示してしまう病気です。筋肉が収縮する症状は肩や首にとどまらず、まぶたや口元などの顔面の筋肉にも病状が広がる場合があり、 眼瞼痙攣や顔面痙攣、口顎ジストニアなどが合併することもあります。専門的には筋肉が異常収縮することをジストニアと呼び、痙性斜頚はジストニアが首や肩に生じたものであるため、頸部ジストニアとも呼ばれます。痙性斜頸は、明らかな原因がなく発症しますが、脳性まひや脳機能障害、抗精神病薬の影響などによって生じる場合もあります。また、精神的なストレスや心因的な要因が痙性斜頚発症の引き金となることもあります。好発年齢は30歳から50歳代で、ほとんどが50歳未満で発症します。

原因

痙性斜頚の原因のひとつとして、脳機能の異常が挙げられており、脳の機能がうまく働かなくなることでジストニア症状が発症すると考えられていますが、詳細は明らかになっていません。精神的なストレスや過度の疲労、長時間の不自然な姿勢による首・肩への負担、脳疾患やその後遺症、異常な分娩、遺伝、薬の副作用など、様々な要因が痙性斜頚発症の引き金となることが知られています。

症状

痙性斜頸を発症すると、首や肩の周囲の筋肉に強い収縮や緊張を生じます。そのため、頭や肩を正常に位置することができなくなり、首や頭が曲がってしまったようになります。具体的には、頭が横を向く、頭が横に倒れる、下あごが突き出る、肩が上がる、体が横にねじれるなどの症状がみられ、これら症状がいくつか組み合わさった形で出現します。精神的ストレスを感じたとき、極度の緊張や不安を感じたとき、頭や肩などの疲れがたまったとき、など、限定的なタイミングで症状が発現する(症状が強くなる)こともあります。また、肩こりや筋肉の張り、首や肩の違和感、頭痛などの症状がみられる場合もあります。症状発現のタイミングや症状の程度は患者さんによってまちまちであるため、軽症の場合には痙性斜頚とは気が付かない場合もあります。

検査・診断

「頭部の異常な傾きや動きはいつも一定の方向やパターンを取る」、「歩行時、洗面時、食事中、人前での話す時など、特定の動作や環境において症状が一段と強く出る、またはそれらの時にだけ症状が出る」、「頬や首筋に指で触れると(センソリートリック)、または何かにもたれると症状が軽くなる」、「起床後しばらくの間は症状が軽くなる」などの特徴が見られた場合には痙性斜頚を強く疑います。痙性斜頚の発症原因が脳機能に存在する可能性もあるため、脳のMRIなどの画像検査によってより詳細な検査が実施される場合もあります。また、精神的ストレスなどで症状が発現している場合もあるため、生活環境などの聞き取りも重要となります。

治療

痙性斜頸の治療法には、ボツリヌス療法、薬物内服治療、手術療法などがあります。ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌という細菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるタンパク質を有効成分とする薬剤です。ボツリヌストキシンを緊張している筋肉に直接注射することで、首や肩の周りの筋肉の緊張をやわらげる効果が期待できます。ボツリヌストキシンの治療効果は4~6ヶ月持続し、その後徐々に効果が切れてくるため、繰り返し治療を行う必要があります。また、筋肉のけいれんと不随意運動の軽減、痛みの緩和のため、筋弛緩薬、抗不安薬、抗てんかん薬などの薬剤を服用する薬物療法が行われる場合もあります。ボツリヌストキシンによる治療では効果が期待できない(効果が少ない場合)には、手術療法が考慮されます。手術療法では、緊張している筋肉を支配する神経を一部切断したり、脳の深部(DBS)や脊髄硬膜外(SCS)に電極を挿入し電気で刺激する治療法があります。その他、バクロフェンの髄注療法(ITB)も行われています。

予防/治療後の注意

痙性斜頚の原因や症状の程度は患者さんによって異なるため、個々の患者さんの状態に応じた治療やサポートが必要となります。特に、精神的な症状や特定の環境要因の影響で症状が発現している場合には、ボツリヌストキシンなどの治療を行うだけではなく、精神面に影響を及ぼしている原因を明らかにして、その原因を取り除くサポートを行うことも重要です。

こちらの記事の監修医師

もり脳神経外科クリニック

森 達郎

〇経歴:
平成5年 日本大学医学部卒
平成11年 日本大学大学院卒
平成11年 米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 神経科
平成14年 横須賀市民病院 脳神経外科医長
平成16年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科医長
平成20年 日本大学講師
平成21年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科科長
平成22年 日本大学駿河台病院 脳神経外科科長
平成23年 社会保険横浜中央病院 脳神経外科部長
平成26年 地域医療推進機構 横浜中央病院 脳神経外科主任部長
平成28年4月 もり脳神経外科クリニック開設
【資格・免許】
日本脳神経外科学会評議員 脳神経外科専門医
日本脳卒中学会会員 脳卒中専門医
日本神経外傷学会学術評議員
日本臨床スポーツ医学会評議員
日本脊髄外科学会会員 脊髄外科認定医
日本脳ドック学会会員
難病指定医 身体障害者福祉法第15条指定医
脳神経外科漢方医学会会員
日本認知症学会会員
介護支援専門員(ケアマネージャー)
日本老年医学会高齢者医療研修会終了

治療に適した診療科目

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